どこの会社には、仕事もせずに給料だけもらっている社員はいます。
いわゆる『ぶら下がり社員』と言われる人たちです。
ぶら下がり社員は、多かれ少なかれどこの会社にもいます。
私のいまの会社にもいますし、過去に勤めていた会社にもいました。
ぶら下がり社員のことを嫌みを込めて『給料泥棒』と呼ぶこともあるでしょう。
ぶら下がり社員の対象となる世代は、30代以降の社員です。
20代の仕事をしない若手社員もいますが、20代は将来性があり、給料もそれほど高くないため、ぶら下がり社員とまでは言えない面があります。
その点、30代以降は給料も充実した人が多い。それに実績を上げなければならない世代です。
もらっている給料の額に値する仕事をしなければ『ぶら下がり社員』のレッテルを貼られることになります。
そんなぶら下がり社員が多くいることは会社の業績にとっては大きなマイナスです。
収益を生まない人材にコストを割いているのですから当然です。
会社はぶら下がり社員を疎(うと)ましく思っています。
しかし、ぶら下がり社員を疎ましく思っているのは会社だけではありません。
一緒に働いている社員も疎ましく思っています。
そして、真面目に頑張っている社員はぶら下がり社員の存在によって仕事へのやる気を削がれていきます。
あなたが頑張って仕事をしている傍に、ぶら下がり社員が高給を取りながらブラブラしていたらどうですか。
今回はぶら下がり社員の多い会社にいることによるマイナスを改めて考えていきたい。
ぶら下がり社員の多い会社の特徴
ぶら下がり社員とは、給料を食いつぶす『オジサン社員』のことです。
無断欠勤をしたり、全く仕事をしなかったりすれば解雇もありうるのでしょうが、与えられた仕事をとりあえずこなしていれば雇用は確保されます。
それでも給料が低ければ、感情的に許されるのでしょうが、オジサン社員の給料は高い。
それが周囲の怒りを買うことになります。
ぶら下がり社員はどこの会社にも必ずいます。
要は数の問題です。
なぜぶら下がり社員が生まれるのか。
それは解雇できないからです。
もしくは、給料を下げることが難しいからです。
会社には、守らなければ法律があります。
そして守らなければならない社内制度があります。
仕事ができないくらいで、それももらっている給料に対して仕事ができないくらいで、社員をどうのこうのするなんて出来ません。
そうはいっても、会社は厳しい競争にさらされています。
ぶら下がり社員を抱えておきたいと思うはずはありません。
人事異動や人事評価、左遷などの会社の保有する権力を使えば、ぶら下がり社員とてひとたまりもありません。
しかし、実際にはそこまでする会社もあれば、そこまでしない会社とに2分されます。
その差は以下の2つの点で説明できます。
1つは「経営状況が厳しい会社であるかどうか」です。
経営が厳しければ、ぶら下がり社員を抱えてる余裕はありません。
もう必死です。
不当解雇と訴えられるのを承知のうえで、解雇に踏み切ってくる会社もあるでしょう。
逆に、経営に余裕のある企業はぶら下がり社員に対して強く当たることはありません。
定年になれば自然と会社を去っていきます。
そこまで毅然と待てるだけの体力があるわけです。
2つ目は「企業体質がどうか」です。
会社は感情を持った人間の集まりです。
社員に優しい会社もあれば、冷たい会社もあります。
私は両方を経験しているから分かるのですが、ぶら下がり社員への接し方は極端に異なります。
優しい会社はぶら下がり社員がいても露骨には強く当たることはありません。
職場の雰囲気を考えますから。
それに同じ会社で働いているわけですから。
一方で、冷たい会社では露骨に嫌悪感を出してきます。
会議や朝礼などで「給料分の仕事をしろ!」「給料泥棒は会社に必要ない!」といった言葉が幹部社員から発せられます。
冷たい会社での攻撃は、幹部社員からだけではなく、一般社員からも受けることになります。
それは無視や仲間はずれといった形で行われることが多い。
詳しくはこちらの記事にてどうぞ↓
・退職理由にある人間関係とは『仲間はずれ』のことです。
会社が冷たい企業体質だと、ぶら下がり社員の居場所は間違いなくありません。
つまり、ぶら下がり社員の多くいる会社には、経営に余裕があり、社員に優しいという特徴があります。
ぶら下がり社員が多くなることのマイナス点
ぶら下がり社員の数が多くなれば問題です。
会社にとっては無駄なコスト増ですからね。
ところで、ぶら下がり社員を迷惑がっているのは会社だけではありません、
ぶら下がり社員が多いことは、彼らと共に働く社員にとっても問題なのです。
具体的にどういった問題点を生んでいるか。
一番の問題は、頑張って働いている社員のやる気が失せてきます。
モチベーションが下がってきます。
仕事ができない人が自分より高い給料をもらっているいう事態が生まれるわけですから。
この点に関しての詳しい記事はこちら↓
・自分より仕事ができない者が自分より給料が高い現状。私は我慢できません。
問題はこれだけに留まりません。
社内がギスギスしていきます。
仕事上の連携がとれません。
コニュニケーションがうまくいきません。
これは会社組織として大きなマイナスですね。
ぶら下がり社員を抱えることは、会社にとっても、周りに一緒に働いている社員にとっても何一つ良いことはありません。
ぶら下がり社員本人のみが美味しい蜜を吸い続けているわけです。
ぶら下がり社員の多い会社は出るべし。
ぶら下がり社員が多い会社は、会社にとっても、そこで働く社員にとってもマイナス点が多い。
そして、もし、あなたが中小企業に勤めていて、ぶら下がり社員が数多くいるのであれば、その会社からは脱出したほうがいいでしょうね。
中小企業は給料も安く、賞与だって毎年固定額が支給されるわけではありません。
つまり、業績をまもとに受けてしまうわけです。
ぶら下がり社員は給料が高いわりに、会社の利益貢献ができない。
その余波が、中小企業に勤めているあなたの待遇に影響を及ぼしてくるわけです。
ぶら下がり社員がいなければ、もっと給料が高くなるのに。。。
ぶら下がり社員がいなければ、もっと賞与が多くなるのに。。。
中小企業に勤めていて、ぶら下がり社員が多くいると困るのはこれだけではありません。
実はこちらの方が重大です。
それは経営危機に直面することになることです。
大企業であればぶら下がり社員を吸収できるだけの体力がありますが、中小企業にはそれだけの体力はありません。
会社は倒産してもいいが、あなたまで巻き込まれてはいけません。
会社での待遇とは、個人の能力に依存するのではなく、会社の業績に依存しています。
ぶら下がり社員がいることで、あなたの給料は上がらず、もっと言えば業績が低迷するようなことが起こっているということです。
だから、ぶら下がり社員がいる会社からは早く脱出したほうがいいのです。
おわりに
ぶら下がり社員が多くいる会社に将来はありません。
実績も上げていないにもかかわらず、それ以上の給料が支給されている状況に対して、嫌気が差してくる社員はきっといます。
特に優秀な実績を上げている社員ほど、その状況に我慢ならないでしょう。
給与制度で決められているから仕方ない。とは割り切れないのが人の感情です。
そういった感情が抑えきれなくなると大変です。
仕事への集中力は落ちていきます。
だんだんと自分の心が腐ってきます。
自己コントロールできていればよいですが、それができすにやる気もスキルも低下してくることもあります。
そういった兆候が自分に見えたら転職してください。
きちんと能力と実績で評価してくれる会社に移ってください。
どこの会社にもぶら下がり社員はいますが、自分が我慢できなくなり、自分が腐っていくようであれば、自分が環境を変えるしかありません。
会社に対して「ぶら下がり社員をどうにかしてくれ」と言ったところでどうにもなりません。
自分が自分をどうにかすればよいのです。
それは転職するということです。
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