会社員のリスクとして最もよく取り上げられることは、
「会社の倒産やリストラにより職を失う」
ということです。
本当にそうなのでしょうか。
会社の倒産に遭遇する人は身近では滅多にいません。
また、リストラについても、会社の業績がかなり厳しい状況にならないと行われないため、そう頻繁に起こり得ることではありません。
つまり、会社倒産やリストラにより職を失うことは、確率的には低いと言えます。
それよりも、会社員に起こる確率の高い不幸といえば『左遷降格』です。
会社には年1回~2回の人事異動があります。
その度に昇格する人がいれば、左遷降格する人もいます。
会社員の宿命です。
では、そもそも「左遷降格」とはどういったものなのか。
以下に具体例を並べてみました。
- 役職を解かれた
- 日陰の部署へと異動になった。
- 遠方に飛ばされた。
- 子会社、関連会社への出向となった。
現在は競争社会です。
企業間同士の競争だけでなく、社内では社員同士の出世競争も繰り広げられています。
あなたも会社員である以上、否が応でも競争に巻き込まれます。
左遷降格は他人事ではなく、自分の身に振るかかってくる可能性はかなり高いです。
いつ何時(なんどき)左遷降格の辞令を受け取るかも分かりません。
今回は、左遷降格を受けたときの対処法について説明します。
左遷降格される主な理由
左遷降格は事実上の戦力外通告のようなものです。
戦力外と言っても、スポーツの世界のように職を失うわけではありません。
会社に籍はあるため、給料は支給し続けられます。
ところで、左遷降格はどういった理由で発生するのか。
スポーツの世界では数字という結果で判断されます。
大変わかりやすいし、納得できる部分も大きい。
しかし、会社の世界はそうはいきません。
左遷降格を言い渡されて「はい。そうですか」と納得する人なんていないでしょう。
それもそのはず。
会社での左遷降格は人事異動の一種です。
経営陣や上司が決定するものであって、スポーツ界のような客観的な数字があるわけではありませんから。
とはいえ、とりあえずの理由は2つほど考えられます。
- 社内政治、派閥争いに敗れての左遷降格
- 仕事上のミスによる左遷降格
左遷理由については、こちらの記事に詳しく書いています。↓
・左遷状態から早期に復活したいのであれば、中小企業へ移って活躍するべきです。
ただし、以上の2つの理由に該当しなくても、左遷降格される人は出てきます。
社内政治とは無縁で、仕事もそつなくこなしていても、残念ながら左遷降格の対象とされる人とは誰なのか?
それは『大企業の社員』です。
じつは、誰もが羨む大企業の社員は左遷降格というリスクを常に抱えているのです。
左遷降格は大企業では避けては通れません。
プロ野球の世界では、毎年オフシーズンになると新聞やニュース等で戦力外選手が発表されます。
その中には、20代前半の選手もいます。
まだ入団して5年も経たない選手をクビにするのです。
こういったことが出来るのは、毎年毎年、優秀な新人が入団してくるからに他なりません。
そう考えると、大企業もプロ野球球団と似たようなものです。
毎年、優秀な学生が狭き門を突破し入社してきます。
そして、そこから出世争いがスタートです。
出世をするためには、ピラミッド状の階段を一歩一歩上がっていかなければなりません。
ピラミッド状というくらいですから、上に行けば行くほどポスト数は少なくなります。
出世競争は息つく暇もなく、常に上を目指して登り続けなければなりません。
いまのポジションに居座り続けることはできません。というのも、後発の出世組が下から迫ってくるからです。
従って、上に行けない人は後発の出世組に席を譲らなければならず、左遷降格されることになります。
>>出世競争に敗れたのであれば、潔く新しい道を歩んでいこう。
左遷降格は、ピラミッド状の組織という「構造上の理由」で発生するものです。
これは大企業でしか起こりえないことです。
中小企業には左遷降格はありません。
中小企業には、毎年定期的に優秀な新人は入ってきません。
そして、そびえ立つようなピラミッド状の組織体でもありません。
たたでさえ、人的資源が枯渇しているのです。左遷したら人材がいなくなります。
それ以前に、左遷しようにも会社が小さいために左遷先自体がありませんね。
左遷されてもチャンスをくれる大企業もある
左遷降格は大企業のみで起こるものです。
あなたが大企業の会社員で左遷された場合、どのように対処しますか。
基本は、左遷先で与えられた仕事をしっかりこなすことです。
しかし、大半の人は左遷の辞令を受けた瞬間から気持ちが腐ってしまいます。
そして、左遷先において、いい加減な仕事ぶりを披露してしまうのです。
それでも、折れない心を持ったごく一部の人はなんとか復活できることを信じて、前向きに仕事に取り組もうとします。
実は、左遷には戦力外という意味のほかにもう一つ意味があります。
それは、あなたが試されているということです。
あなたに這いあがってくるだけの精神的タフさがあるか見られているのです。
テレビや雑誌等を見ていると、有名な会社の経営者が自身の社長になるまでの歩んできた人生を語っている場面をよく見ます。
そのなかで「過去に子会社や関連会社に出向になった」、または「窓際部署に異動になった」という話をされています。
つまり、左遷を経験しているのです。
そして、そこから這い上がって社長の座に就いたということです。
こういった事例から、左遷はあなたの能力を見せつけるチャンスでもあるのです。
ただし、残念ながら、全ての会社が左遷先でチャンスを与えてくれるわけではありません。
では、左遷先でもチャンスを与えてくれる会社はどういう会社になるのか。
それは、自動車、電機などの製造メーカーにような「グローバル企業」です。
世界を相手にビジネスをするには多様性に富んだ考え・思想を持つ必要があります。
そういう部分が社内人事における敗者復活のチャンスを与えていることに繋がっているのかもしれません。
そして、これらの会社の中には退職した者の出戻り入社を受け入れる会社もあります。
オープンで寛容な精神を持ち合わせた組織なのです。
一方、銀行業界のような減点主義で社員を評価する組織はチャンスを与えてくれません。
一度の失敗が致命的になります。
閉鎖的で、寛容な精神を持ち合わせていない組織といえます。
閉鎖的な組織という点では役所関係も同じようなものです。
左遷降格された場合の対処法
左遷されても、復活のチャンスをくれる会社であればもちろん頑張るべきです。
必ず誰かが見てくれています。
左遷されても仕事はあります。
仕事は以前ほどやりがいはなく、忙しくもないかもしれません。
でも、給料は支給されます。
人生は仕事が全てではありません。
早く帰ってプライベートを楽しむも良し、家族と過ごすのも良しです。
こういう安らかな時間が過ごせれば、左遷も悪くはないのかもしれないですね。
ただし、この状態は平時の話です。
もし、あなたの会社が 業績不振に陥ったらどうでしょうか。
安らかな日々を保証されると思いますか。
一転、地獄の日々の始まりです。
左遷された社員は「リストラ対象社員」へとリストアップされるからです。
そういう日が来るのを怯えながら待つぐらいならば、早めに転職して他の会社に移るのも一つの手です。
⇒転職活動は正しい順で行いましょう。それが転職成功の絶対条件です。
でも、それはまだ先の話です。
左遷されてもないのに左遷された場合を想定しても仕方ありませんから。
そして、運悪く左遷された時にそのまま残って様子見するか、転職するかを考えればよいのではないでしょうか。
時間は十分にあります。
まずは、出世の階段を思いっきり駆け上ってください。
ただし、あなたが40歳を過ぎていれば、話は少し変わってきます。
いまは会社の業績が良くても、中高年になると会社の若返りを目的にリストラの対象とされます。
『45歳定年説』が話題になっているくらいです。
あなたが、その年齢に近いのであれば、いまからでも転職の準備に入っておいた方がよいかもしれませんね。
⇒すぐに転職する気がなくても、転職活動は始めておきましょう。
・左遷状態から早期に復活したいのであれば、中小企業へ移って活躍するべきです。
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