私たち会社員の運命は上司が握っています。
これはウソでも何でもなく、現実です。
その主な理由は、私たち会社員の人事評価を上司がおこなうからです。
しかし、今回は別の理由から、上司の存在の大きさについて述べたい。
その理由とは『上司の人間性』です。
上司の人間性は、私たちの会社員にとってすごく重要です。
仕事ができるかどうかは横に置いておいて、人事評価の権限を持っているということを横に置いておいて、上司の人間性だけであなたは会社員人生を変えられてしまうことを知ってほしい。
例えば、あなたの上司が無礼な人だったらどうでしょうか。
それだけで、あなたは多くのマイナスを受けることになってしまうでしょう。
今回は、無礼な上司を持つ部下は、心身共にボロボロになってしまうということについて説明します。
無礼な上司とはどういったことをするのか。
では無礼な上司とは、具体的にはどういったことをするのか。
以下に述べているように、大きく3点あります。
①『部下を見下すように接する』
このタイプの上司は多いですね。
会社内での上下関係をまるで人間の上下関係のように錯覚するわけです。
大昔の身分制度のように思っている上司さえたまに見かけますね。
まずは言葉使いに表れます。
名前の呼び捨てや、お前呼ばわり。さらには、命令口調で指示を出す。
そして、無礼な上司は攻撃の範囲をさらに広げてきます。
部下の人間性や個性までを批判の対象とし、傍から見ればパワハラ発言とも取れる発言を平気な顔をしておこなってきます。
また、人前で部下に恥をかかせるような行動もおこなってきます。
わざと人前で叱責したり、または人前で悪口を言ったりして、部下を軽んずることで上司である自分が上であることを示そうとします。
②『部下の手柄を横取りする』
これは無礼というよりも人間として恥ずべき行為です。
本来は、上司の手柄を部下に与えてあげるべきものを、部下の手柄を上司が横取りするのですから呆れてしまいます。
上司は自分の出世のことで頭がいっぱいなのでしょう。
こういった上司は、部下を出世の道具とみなしています。部下は自分が出世するための欠かせないアイテムです。
自分が仕事ができないため、部下に仕事をさせて、その成果を横取りして出世していくというしたたかな考えの持ち主です。
③『部下を意図的に過小評価する』
無礼な上司は、部下のことを仕事ができないというレッテルを貼っています。
部下が上司である自分を能力で上回るわけがないとレッテルを貼っています。
なぜ、そういった決めつけをするのか?
それは「部下を徹底的に下に押し込めようとしている表れ」です。
上司である自分よりも、部下の方が仕事ができたり、実績を上がられると自分の立場がなくなるからです。
つまり、上司の保身ですね。
出る杭は打たれる。
無礼な上司は、部下を育てるのでなく、部下を下に押し込めようとするのです。
無礼な上司から受けるマイナスとは。
では、無礼な人間が上司になると、部下にはどういった影響が出てくるのか。
主に2つの影響が考えられます。
1つ目は、健康を損ないます。
上司が無礼だと、上司と接する度にストレスがかかり、それが体調を悪い方向へと導いてしまいます。
上司が無礼だと、上司との人間関係は上手くいきません。
よく仕事が原因で体調を崩す人がいますが、その多くは人間関係によるものです。
医学的研究でもそう言われています。
勤務時間の長さ、責任や権限の大きさ、仕事の負荷によって体調を崩すこともあるでしょうが、一番はやはり人間関係です。
職場において、無礼な人は上司だけだとは限りません。
同じ部署内で同僚、先輩や後輩のなかにも無礼な人間もいたりするでしょう。
それでも上司との関係に比べれば、まだ組みやすい。
上司は他の者と違って、権限を持っているため、上司が無礼だと厄介な存在となり、体調に変調をきたす者も出てくるでしょう。
2つ目は、仕事に集中できません。
無礼な人間がいると、仕事に集中できません。
ましてや、無礼な人間が上司であれば、なお一層のこと集中できません。
上司が無礼だと、常に上司の言動が目に入ってしまい、仕事に集中できないのです。
ただでさえ上司という存在は、意識してしまうものです。意識しまいと思っても無意識に意識しているものです。
それに無礼さが加われば、否が応でも上司への意識はいっそう強まっていきます。
もうそうなれば仕事どころではなくなります。
相手が無礼な上司だと、通常はすんなり行くようなやりとりでさえ、余計な神経をすり減らさなければならなくなります
そのせいで、仕事への集中力は散漫になり、仕事の質は低下していきます。
無用なエネルギーを使わされてしまうということです。
無礼な上司との付き合い方
上司の一方的な無礼な態度にはムカつきます。
たまたま、会社の組織上、上司になっただけなのに、このような無礼な態度で接してこられるわけです。
会社組織がピラミッド構造になっている以上、誰かが自分の上司に就任しなければなりません。
でも数多くの候補者から、よりによって無礼な人間が上司になったとしたらどうしますか。
人の人間性は変わりません。
無礼な人間はどこまでいっても無礼です。
あなたの上司が無礼だと、あなたの部署の他の社員も、あなたと同じように嫌な気持ちを持って仕事をしている可能性が高いでしょう。
決して、あなた一人が被害者ではないということです。
だとすれば、あなたの部署の雰囲気は悪いはすです。
そして、上司から無礼な態度を取られたあなたや他の社員は、イライラした感情を持つことになり、それぞれが協調的な行動を取ろうとはしなくなります。
他人と協力しようとか、他人と何かを分かち合おうといった考えは生まれてきません。
こういった雰囲気の職場で仕事をしても、面白くもなければ、自分の成長には大きなマイナスとなります。
問題は、部下である自分が何とかすることができるのか?ってことです。
まずは、上司を変えることはできないのだから、上司をなんとかしようとしないことです。
なんとかしようと考えるだけ時間とエネルギーの無駄使いです。
では、無礼な上司を持つ社員は何をすればよいのか。
それは『礼儀正しさを前面に出せ』ということです。
「えっ?何それ」といった声が聞こえそうですが、要は「自分を律することしかできない」ということです。
「相手が無礼な人なら、こちらは礼儀正しく行こう!」ということです。
相手の無礼さに反応して、自分を壊さないことです。
無礼な上司に振り回された挙句に、自分が崩壊してしまっては元も子もありません。
自分が礼儀正しくしておけば、少なくとも上司以外の人たちとは友好関係を維持できて、自分が壊れることはありません。
おわりに
できるだけ無礼な上司とは関わらないことです。
仕事上、どうしてもという時にだけ関わればよいのです。
一生、無礼な上司と付き合うわけではないのですから。
でも、一点だけ気に留めておかないといけないことがあります。
たったいま、無礼な上司とは一生付き合うことはないと述べましたが、あなたの会社が人事異動の無い会社であれば話は別です。
もしかすると、一生無礼な上司の下で働くことになるかもしれません。
あなたの今の会社が、中途採用で入社した会社であれば、人事異動がない可能性は高いですから。
というのも、中途採用のほとんどはキャリア採用です。
あなたのいまの仕事は、長年やってきた仕事であって、その知識と経験を買われていまの会社に入社していれば、おそらく人事異動はありません。
それは、つまり今の無礼な上司と共に歩む運命にあるということです。
もちろん、あなたが出世して、今の無礼な上司の上に立つことだって可能性の上ではありますが、現実的には無理でしょう。
そうなると、あとはもう転職するしかありません。
これ以上、無礼な上司とやっていけないと判断すれば、転職の道を探ってみましょう。
今回は上司の『人間性』に焦点を合わせましたが、これに『能力』をプラスして上司の良し悪しを判断すると、部下にとっての良き上司に巡り会うのは難しいでしょう。
当然、運の良し悪しもあるでしょう。
もし運悪く、無礼な上司の下であなたは働くことになった時には、次の言葉を思い出してください。
「上司にとってあなたは赤の他人です。だから上司があなたの幸せを考えることなどありません」
やはり、最後は自分が決断し、自分が転職するなりして幸せの道を探すしか方法はないのです。
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