面接の最後に「何か質問はありませんか」とたずねられることがあります。
いわゆる「逆質問」というやつです。
私たち応募者にとって、逆質問する目的は一つしかありません。
その目的とは、もし採用されて入社することになった際の不安を解消することです。
仕事内容、会社の雰囲気、給料、人事制度など不安に思っていることはどんなことでも聞いておきましょう。
せっかくの機会です。聞かなきゃ損ですよ。
特に、求人票に記載されていない点については聞いておくべきでしょう。
ただ、残念なことに、逆質問しても入社後の不安を完全に解消することはできません。
その大きな理由としては、面接の一番の目的が採用されることである以上、面接官を刺激するような質問、または面接官を困らせるような質問ができないということです。
どうしても遠慮が出てしまいます。
また、面接官の方も、会社にマイナスとなる情報はあまり口にしたくないといったことがあります。
つまり、双方ともに腹を割って話をすることができないのです。
今回は、面接で逆質問しても、入社後の不安を完全に解消できないことについて説明します。
面接には入社後の不安を解消するという目的もある。
面接の最大の目的は、採用されることです。
言わずもがなですね。
そして、実はもう一つ面接に挑むにあたっての目的があります。
それは、入社後の不安を解消することです。
採用されて入社することになった場合を考えて、不安に思っていることを解消しておきたいですよね。
もし仮に、面接で不安を解消できず、そのまま入社するとどうなるか?
そうです。
不安をもったまま入社すると、その不安が原因で退職することになりかねないのです。
あなたが不安に思っている事柄、たとえば残業が多いかも?、会社の雰囲気が悪いかも?、そういったものは、あなたが最も気にかけている事柄です。
その不安が現実のものになってしまうと、退職にまで至ってしまうことだってありうるということです。
たとえば、あなたがこの会社は残業が多いのでは?と不安に思っていたが、それを面接で聞くことができずに入社したところ、実際に残業が多かったとしましょう。
そうすると、あなたの心の中で、こんな会社に入るのではなかった!と強い思いが生まれてくるのは間違いありません。
そして、それと同時に「面接で聞いておけば、残業が多い会社であることが判明し、入社を辞退することもできたのに」と強い後悔が生じたりもします。
しかし、入社後に何を思っても手遅れです。
その思いが強ければ強いほど、退職に至る可能性が高くなります。
こういった事態だけは避けたい。そう誰もが思うはず。
であればこそ、面接で逆質問の機会をもらったならば、必ず不安に思っていることは聞くようにしましょう。
面接で逆質問しても、完全に不安を払拭できない理由
多くの人が、求人応募する際に、その求人に関する情報を収集します。
求人票に記載された情報以外にも、ホームページ上の情報やネット上での口コミ情報などから情報を得ることはできます。
それでも、分からないことがあれば、面接で、直接質問するのが一番です。
というよりも、面接で逆質問するしか残された方法はありません。
しかし、面接で逆質問しても『入社後の不安』を完全に払拭することはできません。
その理由は以下の2つです。
1つ目の理由は、質問するにも限界がある。
「面接で何でも質問して下さい」と言われても、何でもというわけにはいきません。
入社後の人間関係が心配だからといって「配属先の上司になる人はどんな性格ですか」なんて質問できませんよね。。
また、入社後の賞与が気になるからといって「賞与は基本給の○○ヵ月分と求人票に書かれてますが、本当に出るのでしょうか」なんて確認できませんよね。。。。
これらは応募者本人にとっては入社するかどうかを決定するための重要な要素です。
しかし、それを遠慮して質問できない。面接官に嫌われて不採用になるのではないかといった思いが脳裏をよぎったりするためです。
2つ目の理由は、面接官は真実を話そうとしない。
えっ?面接官が嘘ついたりするの?って思った人もいるではないでしょうか。
そうではありません。
嘘つきというのではなく、会社にとって都合の悪い真実は話してはくれないということです。
例えば、長時間残業が当たり前の会社の面接試験で、残業時間について質問しても、返ってくる答えは「忙しいときには残業が多少は発生します」といった感じです。
入社の決定に残業を重要視する人にとって、残業が多いか、多少かは雲泥の差。
多少だと聞いて入社したら、実は、長時間残業の連続だったでは酷(ひど)すぎます。
もう一つ例をあげましょう。
賞与について質問すると、返ってくる答えは「業績が良ければ出ます」と期待を持たせる言い方です。
しかし、会社は最初から寸志程度の支給しか考えていないかもしれません。
こういった会社にとって不利となる情報は、正直に話してくれません。
あとで言い訳できるようなグレーな物言いをしてきます。
面接官にとって一番つらいことは、採用内定を出したものの辞退されることです。
入社を断られるということは、人事担当者としてはマイナス評価になるからです。
ゆえに、面接では、できるだけ不利となる情報は嘘にならない範囲で隠したいという思いが芽生えるのです。
不安を多少でも和らげるために雇入れ通知書は発行してもらうこと。
面接は、会社が応募者の採否を決めるために行うものです。
一方で、応募者の立場からすると『この会社は入社しても大丈夫かどうか』を見定める場であります。
そのため、不安な点については逆質問して、納得のいく回答を得たいという気持ちがあります。
しかし、面接では、採用権を持つ会社が強い立場のため、納得のいく回答を得るまでには至りません。
結局、応募者は完全に不安を解消することができないまま、転職することになってしまいます。
そこは腹を括るしかありません。
転職にかぎらず、新しいことを始めたり、新しい世界に飛び込むときにはリスクを必ずついてきます。
実際に入社して『こんなはずではなかった』という事態に遭遇してしまうかもしれません。
ただし、最大限できることはやっておきましょう。
そのひとつとして、内定をもらったら、必ず『雇入れ通知書』は発行してもらってください。
あなたが入社後の不安に思っていることのなかで、給料や勤務時間など求人票に記載されてある条件面については書面でしっかり約束してもらっておくことです。
これだけでも、不安の一部は解消されます。
問題は、人間関係の不安、仕事の難易度の不安など書面にできないものへの不安ですが、これについては逆質問できるチャンスがあれば、逆質問しておくべきです。
たとえ不安が解消できなくても、質問することで面接官にはこちらが不安に思っているという気持ちは伝えることができます。
気の利く面接官であれば、オープンに率直に回答してくれることだってあるかもしれません。
やるだけやってみましょう。
おわりに
「入社してみないと会社のことは分からない」
「入社してダメだったとしても前の会社に戻ることはできない」
これは、転職に対する不安の声です。
その不安を払拭するために、面接での質問タイムが設けられています。
しかし、それも大した効果が期待できません。
となれば、会社の実態を把握した転職のプロが取り扱う求人案件に応募してみてはどうですか。
転職のプロが取り扱う求人とは、転職エージェント『ビズリーチ』(直接スカウトから連絡が来ます)が取り扱う求人のことです。
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転職エージェントは、求人の会社に出入りしているため、会社の細かい点まで把握しています。
それこそ、上司になりうる人の年齢や人柄についても聞くことができます。
どんな些細な疑問点でも答えてくれるので『入社後にこんなはずではなかった』といった事態は起きません。
ただし、ハローワークの求人に比べて、取り扱い求人数が少ないため、あなたの希望の求人が見つかりにくいという欠点はあります。
それでも、転職エージェントは無料で利用できるため、利用するだけしてみてはどうですか。
希望条件を伝えておけば、該当する求人情報をメールで送ってくれます。
手間も金もかからない省エネの転職活動といったところでしょうか。
それで、不安な点を解消して転職できれば、こんな嬉しいことはありません。
是非、活用してみてください。
・転職してみて「こんなはずでは・・」と思ったら、再転職すればよいのです。
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