ミドル世代になると仕事探しに苦労します。
どうしても「年齢」がネックになってくるからです。
いかにミドル世代が優れていようとも、20~30代の「年齢」という武器に打ち負かされてしまう場合があるということです。
ただ、そこで屈してはいけません。
20~30代に「年齢」という武器があるように、ミドル世代には『ミドル世代にしか持ちえない武器』があるのです。
その武器のひとつが『調整力』です。
それを採用試験でアピールできれば採用合格率は間違いなく上がります。
『調整力』は履歴書等の書類でアピールするものではなく、面接本番の最中にアピールするものです。
今回は、ミドル世代の武器である『調整力』をアピールすることが採用合格率の上昇に繋がることについて説明します。
ミドル世代に求められる能力は3つです。
ミドル世代に対して会社は何を求めているのか。
ミドル世代が仕事探しで成功をおさめるには、それを把握しておかなければなりません。
そして、それを会社にアピールすることによって採用合格率を上げることができます。
会社がミドル世代に求めるものは以下の3つです。
①『即戦力となる人材であること』
ミドル世代となれば、即戦力を期待されます。
野球で言うところのFA(フリーエージェント)です。
すぐに結果を出せるだけの経験と実績を持っている人であること。
会社の多くは若者を育てたいという気持ちを持っていますが、なにぶん人材教育に力を入れるだけの資金と時間に余裕がないのです。
それができるのは大手企業くらいです。
そのため中途採用で即戦力を採ろうとします。
即戦力になりえるかどうかのチェックは、主に書類選考でおこなわれます。
面接では、履歴書、職務経歴書に書かれていることを実際に会って確認することになります。
②『マネジメントの出来る人材であること』
ミドル世代に対してはマネジメント能力の有無を採用基準に設定しています。
「あなたはマネジメント経験がありますか。」
といった質問をされる可能性は十分にあります。
ミドル世代は自らの実務能力のみならず、部下の管理業務や育成指導を期待されるものです。
あなたが「はい、あります」と答えれば、そこからは具体的に聞かれるでしょう。
これまでの役職名、マネジメント経験年数、さらには過去の実績(役職名、部下の人数、権限の範囲)、部下の指導方法、組織で仕事を進める上で大事にしていることなどを聞かれます。
また役職に就いていなくても、マネジメント経験があるケースもあります。
役職に就いていなくても、若手社員を指導したり、または相談に乗ったりと教育係として組織を支えた経験があるケースです。
そしてもう一つ。
実務能力のない管理職に代わって、役職に就いていなくても実務責任者として部署内を仕切った経験があるケースです。
もし役職に就いていなくても、そういった経験があれば十分なアピール材料になります。
面接官が聞きたいことは、役職の有無や役職名に関係なく人の上に立って仕事をしていた経験があるかどうかです。
そして、会社がミドル世代に求める能力の3つ目は『調整力』となります。
ミドル世代に『調整力』が期待される理由
ミドル世代に会社が期待するものとして、
- 即戦力であること
- マネジメント能力があること
の2点について述べてきました。
この2点については一般的に言われている項目です。
そして、ミドル世代に求められる能力の3つ目は『調整力』です。
③『調整力のある人材であること』
個々のプレーヤーが優れた人材であっても、組織としてまとまっていなければ全体の利益は伸びていきません。
そこで、組織をまとめる役割を担う管理職の存在が重要になってきます。
仕事の配分、仕事の進め方、人員の配置などの領域は管理職の権限で何とか良い方向に向けることはできます。
しかし、管理職の権限をもってしても上手く機能させきれない領域があります。
その領域とは『組織内でのチームワークを生み出すこと』です。
いくら優秀な個人が集まっても別々の方向を向いていては組織としての能力は十分に発揮されません。
「1+1=2」が「1+1=3」もしくは「1+1=4」となるためにはチームワークが必要なのです。
そのことは誰でも理解はしています。
しかし、理解はしているが実際はチームワークは生まれません。
こればかりは、管理職の権限をもって「仲良くしろ!」「もっと仲間のことを考えろ!」とは言えません。
ではなぜチームワークが生まれないのか?
それは、社員の評価制度が個人の能力のみを評価するものであるため、隣に座っている社員とは競争関係にあるからです。
同じ部署の隣の社員が競争相手なのですから、チームワークなんて生まれません。
むしろ足を引っ張ったり、共有すべき情報を独り占めしたりということすらあるくらいです。
こうした状態は程度の差こそあれ、どの部署でも起こりえます。
一緒に仕事をしている人は家族でもなければ、友人でもありません。全くの赤の他人です。さらには好き嫌いもあるでしょう。
そのうえ、個人評価制度が取り入れられればチームワークは生まれるはずはありません。
そこで重要になるのが調整力をもった社員の存在です。
調整力をもった社員とは「組織内の仕事がスムーズに流れるようにする、いわば潤滑油のような仕事を担う人」のことです。
社員間の対立や、足の引っ張り合いなどを仲裁したりする調整役は人生経験のあるミドル世代にしかできない仕事です。
「個人の意見を聞いて組織運営に反映すること」
「個人の持つ情報を吸い上げて組織全体で共有すること」
これらは調整役にしかできない仕事です。
さらには、雑用業務などを率先してやることも調整役の仕事として捉えることができます。
雑用業務は誰もやりたがりません。
しかし、組織のなかではやらなければ困る仕事です。
お互いが押し付け合う雰囲気のなか、調整力のある社員はそれを率先してやってのけることで組織内の押し付け合う空気を一掃してしまうことができます。
調整力を面接でアピールするには
ミドル世代に求められる『調整力』は、面接でしかその能力をアピールできません。
履歴書に書けるスキルではないからです。
では、面接でどのように調整力をアピールするのか。
それは、面接での話し方、面接の服装、面接での礼儀作法によってアピールします。
調整力を発揮できる人は、穏やかさ、冷静さ、包容力がある人です。
そういった要素を持っていることをアピールするためには、面接試験において以下のことに気を付けてください。
- 相手の話を聞くことを優先する。
- 自己主張はしない。
- 話すときはゆっくりと大きな声で話す。
- 質問するときは遠慮せずに本質を突くこと。
- 身だしなみ・口臭は清潔にしておくこと。
まずは、ミドル世代して恥ずかしくない年相応の言動をすることが肝要になってきます。
そして何より大事なことは、面接の中で質問する機会を与えられた際に
「自分の権利について質問するのではなく、会社の利益に資することを質問すること」
ですね。
給料や休日などの自己権利に関しての質問をしていては自分の事しか考えていないという印象を与えてしまいかねません。
そうではなく、会社の今後の展開や人材育成の方法など会社経営に関する質問をすることです。
その姿勢こそが、自分を殺して会社を活かすという調整力に必要な資質を持っていることのアピールとなるのです。
おわりに
ミドル世代には、ミドル世代の魅力があります。
その魅力は仕事の能力やスキルだけではなく、歳をとっている分だけ人間性の面において発揮することできます。
仕事は人間社会生活の一部です。
人間力を発揮できる場面は数多くあります。
そのひとつが『調整力』ということです。
ただし、ミドル世代の武器となる『調整力』にも欠点があります。
それは、個人プレー中心の会社では使えないということです。
例えば、保険セールスの会社やタクシー運転手の会社などです。
これらの会社は給料が成果報酬になっており、いわば個人事業主が集まったような会社です。
ここでは調整力は必要とされません。
あくまでも『調整力』は組織単位で仕事をする会社でこそ威力を発揮されるものです。
転職活動する際には、調整力を発揮できそうな会社を狙ってください。
そして、そこでミドル世代の武器をいかんなくアピールしてください。
そうすれば採用合格率は必ず高まっていくでしょう。
最後に『調整力』が最も必要とされる仕事を紹介します。
それは経営に近いポジションで仕事をすることです。
経営者の右腕といわれるポジションです。
詳しくは以下の記事にて詳しく書いています↓
・経営に近いポジションに就きたいのであれば、転職を利用して手に入れましょう
コメント