「あなたは管理職になりたいですか」
管理職になると、これまでと違って一気に大きな責任がのしかかってきます。
管理職でないときは自分の仕事だけに集中しておけばよいが、管理職になるとそうはいかなくなります。
まずは、担当部署の業務全般に注意を払わなければなりません。
その次には、部下との人間関係に注意を払わなければなりません。
その次には、部署間の関係にも注意を払わなければなりません。
さらには、自分の上司にも注意を払わなければなりません。
これだけ多方面に注意を払わなければ、管理職は務まりません。
どうですか。
これでもあなたは管理職になりたいですか。
多方面に注意を払うことは精神的ストレスが溜まります。
多方面と良好な人間関係を維持するには気疲れをおこします。
私は管理職を数年やりましたが、精神ストレスと気疲れで身体を悪くしました。
管理職には向いていなかったわけです。
それでどうしたか。
管理職の道を諦め、専門職を目指したわけです。
事務の専門職です。
専門職は自分の仕事だけで集中できるだめ、精神ストレスに弱い私には適していたわけです。
今回は、管理職に向いていない人は、思い切って専門職を目指すべきだというお話をさせていただきます。
管理職は精神的ストレスとの戦いです。
暴論を言ってしまうと、管理職は実務ができなくてもよいのです。
実務能力よりも、精神的タフさが求められるポジションだということです。
まずは『担当部署内の業務を滞らせないこと』
決して、お客様や他部署に迷惑をかけることはできません。
「いつまでに何をやる」をいうことは常に厳守です。
そのためには部下を動かしてスムーズに業務をおこなってもらう必要があり、その管理監督責任は全て管理職が負うことになります。
日々プレッシャーとの闘いです。
そして次は『各方面との人間関係』です。
管理職は上には上司、下には部下を抱えた状態です。
これは中間管理職のことです。
上からの指示命令が飛んでくる一方で、下からは要求が飛んできます。
バランス感覚が要求されます。
また、人間関係は上下だけに留まりません。
部署間どうしの横の人間関係もあります。
会社組織は縦割りで構成されており、部署間では緩やかな対立関係にあるのが一般的です。
そこでは、部署間での権益の奪い合いと、責任のなすり合いが日々起きています。
そういった煩わしい関係にも関与していかなければなりません。
これらは実務能力とは別の能力が要求されます。
その能力とは『強い精神力』です。
つまり、管理職は精神ストレスとの戦いだということです。
管理職にかかる精神的プレッシャーを甘く見てはいけません。
管理職の毎日は精神的ストレスとの戦いです。
管理職は、業務に対する責任と複雑な人間関係に心と頭を痛めなければなりません。
さらに言うと、会社に支配されるのは心と頭だけではありません。
時間さえも会社に支配されることになります。
長時間労働は当たり前です。
残業削減や休日出勤の禁止などは管理職にとってはどこ吹く風。
ましてや、有給取得など無縁の世界。。
業務の責任者ともなれば、労働時間など気にしてはいられません。
責任を果たし終えるまでは何時間かかろうとやり遂げなければなりません。
これでは、会社時間と私的時間の境界など無いに等しいと言えます。
大袈裟に言えば、管理職の責任を全うしたければ、人生そのものを会社に捧げなければならないくでしょう。
それでも管理職になりたい人は多い。
その理由は以下のようなものです。
- 給料が上がったり、権限を持てたりすることの喜びを感じれる。
- 仕事ができることの証明にもなる。
- 社会的信用が上がる。
管理職になることは、一種のステイタスを手に入れるようなもの。
管理職になろうとする人のなかには、管理職になるメリットのみに目を向けて、精神的ストレスを受けることを軽く考えている人もいます。
そして、実際に管理職になれたものの、その後に後悔したり、体調を崩したりする人が意外にも多いのです。
そもそも「管理職になること」と「管理職としてやっていくこと」には全く異なる能力が求められます。
管理職になるには上司に気に入られることです。
仕事ができなくても上司に気に入られれば、管理職にはなります。
別の言い方をすれば、上だけ見ておけば良いのです。
一方で、管理職をやっていくには上だけではなく、広範囲に目を向けていかなければなりません。
広範囲に業務内容や業務の進捗状況の把握といった業務全般、さらには各方面との人間関係の構築のことです。
そして、そこにこれまでに味わったことのない精神的プレッシャーがのしかかるのです。
それを真正面から受け止め、全力でこなそうとすると自分が押しつぶされてしまうことになりかねません。
それだけ管理職になるということは大変なことなのです。
管理職を諦めて『専門職』を目指すのもありです。
「管理職になるまでは、管理職の良い面ばかりをイメージしていたが、いざ実際になってみると、その大変さに押しつぶされそうだ」といったような後悔を口にする人は多くいます。
管理職になるといきなり精神ストレスが増え、その重さが予想をはるかに越えてくるとギブアップ状態になります。
そこで、うまく気分転換出来たり、息抜きできる人は管理職を続けていけるのでしょう。
かえって手抜き仕事ができる人の方が、管理職には向いているかもしれません。
でも、なかなか会社の中で手抜きできないですよね。
管理職にもなれば、周りから行動をチェックされていたりもしますから。
そのときは、思い切って管理職を諦めて専門職の道に進むことを考えてはどうでしょうか。
専門職は真面目で一生懸命でも、体を壊すことはありません。
というのも無理に多方面に気遣いなどせずに済みますから。
私は自分の性格を考えると専門職向きです。
管理職をやった経験から、自分には向かないことが分かりました。
実務を極めることに専念する方が私の性分には合っています。
チャンスがあれば、一度くらいは管理職をやってみて、それから判断するのも遅くはありません。
私のように管理職に向かないと思えば、迷わず専門職の道を選択してください。
その際にはは『転職エージェント』のアドバイザーに相談しましょう。
何らかの力になってもらえると思いますよ。
管理職を離れても、高待遇で採用してくれる会社はきっとあります。
以下は私のオススメの転職エージェントです。
高いスキルを持った専門職は、管理職を上回る待遇を手に入れることは十分にありえます。
もしかすると新たな道が開けるかもしれません。
おわりに
管理職になって広範囲に全力で向かい合っていては、自分の身がボロボロになってしまいます。
そこで、一つの方向のみを見ておいて、あとは放置しておくのがよいかもしれません。
一つの方向とは『部下の方向』です。
部下との向かい合い方は、こちらの記事で詳しく書いています。↓
・管理職にリーダーシップは必要ない。部下のサポーターになることを目指しましょう。
どうして部下のみに向いて仕事をするのか?
理由は簡単です。
管理職にとって最大の責務は「担当部署の業務を滞らせないこと」です。
もし滞らせてしまうようなことになれば、各方面に多大な迷惑と損失を生じさせてしまいますから。
そうならないためには部下には頑張ってもらわねばなりません。
管理職として、部下の方のみに集中しておけば何とかあるかもしれません。
ただ、部下の扱いも厄介ではあります。
もしかすると上司との付き合いよりも、部下との付き合いに気苦労するかもしれません。
この点については、こちらの記事に詳しく書いています。↓
・管理職を希望する方へ。管理職は部下よりも立場が弱いことをご存じですか。
そういったことが嫌であれば、やはり専門職が良いかもしれないですね。
専門職になると、人間関係から受けるストレスの多くから解放されます。
適材適所という言葉があるように、自分に向いている道を選ぶのが幸せへの近道です。
いま、私は管理職を捨てて専門職にシフトしたことに大変満足しています。
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