転職したいという思いから、頑張って転職先を決めた。
さあ、あとはいまの会社に退職届を出すだけ。
ところが、それができない。
ただ、上司に退職届を出せば済む話なのに、それができないのです。
心に何らかのブレーキがかかってしまうわけですね。
その理由とは何か。
おそらく多くの人が、上司が怖いのが主な理由だと考えているのではないでしょうか。
たしかに、それも大きな理由のひとつではあります。
でも、それだけではありません。
今回は、退職するのを躊躇してしまう理由をいくつか紹介します。
激高型の上司が怖くて退職できない。
会社を辞めるというのは、気持ちの良い事ではありません。
定年退職といった理由以外での退職は、本当に嫌な思いをしなければなりません。
いまの会社を辞めるということは、いまの会社に何らかの不満があるか、もしくは他の会社の方が魅力的であることを暗に示しているからです。
それでも、会社も大人の振る舞いをしてくれるのが一般的です。
表向きだけでも、快く受け入れてくれるものです。
会社によっては送別会をしてくれる会社もあるでしょう。
しかし、残念ながら、そうではない会社もあります。
その一つに、裏切者扱いに近い雰囲気で接してくる会社というものがあります。
退職願を出してから、通常は1カ月くらいは引継ぎ業務をおこなわなければならないので、退職するまでの期間は『地獄の期間』となります。
私が経験したケースは以下の2つです。
- 裏切り者だと罵られ、できるだけ早く会社から追い出そうと退職日を早められた。
- 仕事を取りあげられて干された状態にされた。
こういったことを平気でするのは『激高型の上司』です。
普段は関係が良好であっても、退職届を出した瞬間に関係悪化になることは、激高型の上司ではよくあることです。
いきなり、感情のスイッチがオンになるのです。
そういった上司を持っている人は、退職するのに大変苦労することになるでしょう。
さらに、災難はこれだけに留まりません。
激高型の上司に対して退職願を出すということは、上司から攻撃を受けるだけでは済みません。
どういうことか?
それは、同じ部署の同僚や仲間から、退職日まで冷たくされるということです。
彼らは、激高型の上司に忖度して、退職予定者との距離を置こうとします。
同僚や仲間は、これからも会社の中で生きていかなければなりません。
だから、仕方なく退職予定者とは話したくても、上司の目を気にして話せないのです。
つまり、退職予定者は一人ぼっちの状態で退職日まで過ごさなくてはなりません。
これはかなりつらいです。
退職願を出して、文句を言われたり、怒鳴られるのは、その日だけで済みますが、誰にも相手にされあい日々を耐えるのはなかなかの試練です。
こうした状況になるのが嫌で、退職できない人はいます。
その場合の対処法は一つです。
即日退職しましょう。
通常は一か月前かもしれないが、そんなことを無視して辞めましょう。
そんなことしたら、訴えられるのではないかと心配する人もいるかもしれませんが、訴えられることはありません。
社員が一人辞めたくらいで損害賠償なんてする会社はありません。
経費と時間の無駄使いになるからです。
そのくらい会社は分かっています。
だから、どうしても激高型の上司が怖い人は、退職届を出して、すぐに辞めてしまいましょう。
私は即日辞めたことはありませんが、退職届を出して5日で辞めたことはあります。
退職届を出して1ヵ月も居たくないですからね。
お世話になりすぎて退職できない。
激高型の上司が怖くて退職できない。
これとは全く正反対の理由で退職できない人がいます。
- 凄く大好きな上司
- 凄くお世話になった上司
- 親身になって育ててくれた上司
こういった上司に退職届を出すのは忍びない。
恩を仇で返すようで、心が痛んだりします。
それができないゆえに退職を諦めてしまう人がいるのです。
いっそ、激高型の上司に退職届を出して、ボロクソに怒鳴られたほうがマシだと考える人もいるでしょう。
私もどちらかと言えば、激高型の上司の方がマシです。
お世話になった上司や好きな上司に退職届を出すのは本当に嫌なものです。
それでも、退職を決意したのであれば、退職して新しい会社に進むべきです。
お世話になった上司には申し訳ないが、自分には転職が必要だから転職しようと思ったのではないですか。
きちんと話をすれば、お世話になった上司も理解してくれるでょうし、きっと応援してくれます。
自分の価値の高さから退職できない。
中小企業に勤めている人によくあるケースですが、自分の存在が会社の中で大きくなりすぎて辞めれない人がいます。
中小企業は人材がとても薄い。
幹部が一人辞めるだけも大きな痛手です。会社崩壊にダイレクトに影響することだってありますからね。
そんな状況で、自分が会社の主要ポストを任されていたら、辞めようにも辞めれませんよね。
残された社員が気になる。
会社の今後が気になる。
こういったケースは判断が難しい。
でも自分の幸せを一番に考えるべきです。
そもそも、あなたの後継者、後釜を育てなかった会社の怠慢なのです。
会社であれば、いつ誰が抜けてもいいように経営しておく必要があるにもかかわらず、それをしてこなかったのです。
だから断腸の思いで、転職すべきです。
それに、案外あなたがいなくなっても会社はやっていけるものです。
プロ野球やプロサッカーチームを見ていると、チームのエース級の選手が抜けると、必ずといっていいほど、他の選手が台頭してきます。
チャンスを狙っていたのか?それとも主力が抜けたチームへの危機感からなのか?
どちらかは分かりませんが、代わりの選手は出てきます。
もし出てこなければ、どこから取って来ればよいのです。
即戦力を採ろうと思えば、それなりのコストがかかりますが、それでも会社が崩壊してしまうよりは遥かにマシでしょう。
おわりに
転職先が決まったときは嬉しいものです。
新しい会社への期待感から心が高楊する人もいるでしょう。
でも、その前にいまの会社を退職しなければならない。
ほとんどの人は、機械的に、事務的に退職願を出して、会社を去ることになります。
まさに淡々粛々です。
でも、なかには退職できずに、転職を諦める人もいるのです。
なんて馬鹿なことをするのだろうと思うでしょうが、実際にそういった人はいます。
私の経験上、精神的に弱い人が退職を躊躇する人ですね。
精神的に弱い人は、優しすぎる人でもあります。
どうしても退職届を出したときの上司の顔を想像してしまうのでしょうね。
激高型の上司の怒った顔を見るのが嫌な人、もしくはお世話になった上司が悲しむ顔を見たくない人とそれぞれのケースがあるでしょう。
それでも、転職をしようと決めたのであれば、前に進むべきです。
退職届を出したときのツラさは一瞬です。
上司の反応を見るのも一瞬の間だけです。
退職届を受け取った上司も、その瞬間は感情的になるかもしれないが、時間が経つにつれてあなたの退職を受け入れてくれます。
前進あるのみです。
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