あなたの会社に給与制度はありますか。
給与制度がない会社ってあるの?と疑問に思う人もいるかと思いますが、実際にはあります。
正確に言うと、制度はあるのですが、とても制度と言える代物ではないということです。
給与制度とは、きちんと金額が提示されていて、昇給のための条件や手当支給の条件などが事細かに記載されたものでなければなりません。
大手企業や一部の中小企業であれば、きちんとし給与制度はあります。
ですが、そのほかの会社は、名目上の給料制度があるが、きちんと機能している給与制度はありません。
もし、あなたが給与制度のない会社で働いているのであれば、それは不安定な収入のもとでの勤労を意味します。
他にも給与制度のない会社での勤務にはマイナス面があります。
今回は、給与制度のない会社で働くことが、いかにマイナス面が多いかを説明します。
給与制度は社員にとって必要不可欠な制度です。
会社には数々の規則やルールが存在します。
誰もが目にしてするものとして『就業規則』があげられます。
会社で仕事をする上でのルールや心構えなどが書かれたものです。
そのなかに社員全員が最も興味のある個所があります。
それが『給与制度』です。
給料に興味のない社員はいません。
だって、給料をもらうために仕事をしているのですから。
そういった意味では、給与制度は会社のなかで最も重要な制度です。
にもかかわらず、給与制度がない会社がなんと多いことか。。。
または、給与制度はあるにはあるが、実際には機能していない会社が多い。
給与制度は、社員にとって『将来の人生設計』をするのに欠かせないものです。
「何をどのくらい頑張れば、どのくらいの給料がもらえるのか」といったことを社員が理解できていなければ、社員は頑張りようがありません。
これは社員にとっては大変不幸なことです。
目標がなければ、頑張りようがありませんからね。
実は、これは社員にとって不幸なだけではありません。
会社にとっても不幸なことです。
給与制度は社員の仕事へのモチベーションを高めるには必要不可欠な物で、それがないということは社員の能力を発揮させていないということになるからです。
給与制度は社員の成長を促し、社員のやる気を喚起する大事なものです。
だから、成長している企業は、給与制度や人事制度に重きを置いています。
時間をかけ、色々なデータを集め、より良い制度を作ろうとしています。
それがひいては優秀な人材を呼び寄せることになることを知っています。
給与制度は社員にとっても、会社にとても大変な重要なものであることを認識すべきです。
給与制度がないことのデメリットとは。
それだけ重要な給与制度であるが、残念ながらその重要性に気付かずに給与制度を作っていない会社があります。
正確にいえば、制度はあるが、形ばかりの全く動いていない制度です。
具体的にはどのような制度か?
たとえば、次のような文言の入った制度です。
- 「昇給は本人の功績をみて決定する」
- 「昇給額は業績によるものとする」
こういった文言のみの給与制度は、給与制度とは到底呼べません。
昇給額、手当額、昇給するための条件が事細かに記載され、きちんと毎年実行されていることが給与制度が機能しているということです。
では、給与制度がない会社で働くことのデメリットは何があるのか。
最大のデメリットは「会社に都合よく使われてしまうこと」です。
どういう意味かと言いますと、真の給与制度とは昇給額などの金額を盛り込んだものを指しますがそれは一方で、会社経営を縛ることになるわけです。
- この年齢になれば、いくらの年齢給をします。
- この資格を取れば、いくらの資格手当を支給します。
このように明確に具体的に書くと、拘束力ができてしまいます。
こうしたことは社員にとっては歓迎すべきことですが、会社にとっては自分の首を絞めていることになります。
大手の体力のある会社はそれができますが、中小の企業でそれをできる会社は多くはないでしょうね。
だから、自分の首を絞めるようなことはしたくない会社は、決して金額を記載した給料制度を作ろうとはしません。
お茶を濁すように、「昇給は会社の業績を考慮して決定する」といった金額ナシの給与制度になってしまうのです。
これによって、会社は自分のクビを絞めることがなくなりますが、社員側からみれば、会社の都合によって自分たちの給料が決められるという最悪の事態に陥るわけです。
自分の頑張りも、努力も、そして実績をあげたとしても、会社の裁量ひとつで全てなかったことにされてしまうということです。
会社との間に給料金額の約束事がなされないということは、すべてを会社に思いのままにコントロールされるということなのです。
となれば、当然ながら、仕事のできる人で将来をしっかり見据えている人は、給与制度のない会社には勤めません。
もしそのような会社に勤めていても、早晩、他の会社に移っていくでしょう。
会社の経営状況と社員の給料が、全く無関係にすべきだと言っているわけでありません。
経営が悪ければ、賞与で調整したり、昇給を全社員見送りといったことは当然あってもよいのです。
しかしながら、全く金額を載せていない給与制度では、社員の給料は会社に無秩序にコントロールされてしまうということになりかねないと言っているのです。
極端に例を出せば、経営状況に良くても、昇給を見送られてしまうことだってありうるのです。
給与制度がある会社は安心感のなかで働ける。
一方で、きちんとした給与制度が実施させている会社で働くことは、安心感をもって働くことができます。
というのも、どれだけ頑張れば、どれだけの給料がもらえるのかが明確に分かるからです。
将来設計が立てやすいのです。
それにもうひとつの安心感は、理不尽な社員間の待遇格差が生まれないということです。
給与制度がある会社は、待遇格差を阻止するために一定の役割を持っています。
それと対照的なのが、中小のオーナー企業です。
中小のオーナー会社にいけば、給料は社長の一声で決定です。
給与制度なんてありません。
社長のご機嫌取りに優れた社員だけが優遇されるという有様です。
実際にそういった会社は多く存在します。
秩序も何もありません。
待遇格差は拡大する一方です。
社長の身内の社員、そして社長のお気に入りだけが厚待遇を得ていくことになります。
それでは、他の社員が腐って、有能な社員は出て行きますよね。
そう考えると、給与制度のない会社で働くことは、格差で不利益を被る可能性があると同時に、倒産の憂き目にあう可能性も出てくるということです。
おわりに
給料は仕事を決定するうえで大変重要なものです。
だからこそ、給与制度がない会社で働いてはいけないのです。
大事な給料を決定する制度が整っていない会社で働くのはやめておくべきです。
もし、そういった会社で働いているのであれば、すぐにでも転職をすることをオススメします。
給与制度がないということは、会社に財布を握られた状態で働いているようなものです。
一方、給与制度のある会社で働くことができれば、自分の将来を描くことができます。
頑張るための目標ができ、そして頑張ったときの果実をイメージできるのです。
そして何よりも、給与制度がある会社は、社員の人生設計を考えてくれている会社だということです。
社員思いの会社だということです。
優良な会社は、給与制度の重要性を心の底から理解しています。
給与制度ひとつで会社を成長させることもできれば、衰退させるしまうことがあることを理解しています。
私たち働き手にしてみれば、どうせ働くのであれば、給与制度のしっかりした会社で安心して働きたいものです。
私は給与制度のない会社で働くことなど全く考えられませんね。
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