あなたは求人票を見るとき、どの項目をチェックしますか。
一般的には以下のような項目になるでしょう。
- 仕事内容
- 給料額
- 勤務地
- 休日日数
私の場合、これらの項目をチェックしたあとに、必ず最後に『求人案件の募集の背景』をチェックするようにしています。
募集の背景とは求人を出した理由のことです。
企業は求人を出す際にはきちんとした理由を持っています。
ただ残念なことに、すべての求人票に募集の背景が記載されているわけではありません。
それでも、記載されているときには必ずチェックし、そのあとに応募するかどうかを判断するようにしています。
では、募集背景をチェックする目的は何か。
それは募集背景をチェックすることで、以下の2つについて知ることができることです。
一つ目は採用のハードルが高さが分かります。
そしてもう一つは入社後の社内での居心地が分かります。
この2つのことが分かることは、転職活動にとって大きなプラスです。
孫子の兵法の有名な言葉に「敵を知り己を知れば百戦危うからず」とあります。
ここで敵を知るとは、応募先会社が求人を出した理由を知ることです。
自分の希望条件ばかりに注意を向けるのではなく、相手先企業の求人募集に関する事情にも注意を払うことができれば、より成功率の高い転職活動ができるでしょう。
今回は、求人案件の募集背景をチェックする重要性について説明します。
募集背景をチェックすることは重要です。
会社が新たに人を採用するときには、きちんとした募集の背景があります。
募集の背景には主に2つあります。
①『増員のための募集』
②『欠員補充のための募集』
です。
これからあなたが応募しようとする求人案件の『募集の背景』を知ることは、採用試験を受ける際の有益な情報となります。
では、具体的にどういった点で有益になるのか?
2つあります。
1つ目は「採用のハードルが高いか低いか」が分かります。
どこの会社も優秀な人材を欲しています。
しかし、優秀な人材を追いかけている時間には限りがあります。
どこかの時点で手を打たなければなりません。
その持ち時間を教えてくれるのが「募集の背景」です。
「欠員による募集」には、与えられている時間がさほど多くはありません。
なにせ欠員で人が足らないため早く人を採用しなければならないからです。
そのため自然と採用のハードルは低くなります。
一方で、増員による募集は時間的余裕があることから採用のハードルは高くなります。
2つ目には「入社後の居心地が良いか悪いか」が分かります。
募集の背景と入社後の居心地にどういう関係があるのか?と思う人もいるでしょう。
確かに瞬時にイメージは湧かないでしょうね。
これに関しては、2つの募集背景のうちの「増員による募集」に関係してきます。
増員による募集は、将来の仕事の増加や将来の業務拡大することを見込んで行っている募集です。
そのため、入社後すぐに仕事がなく手持ち無沙汰になるため、周囲の社員から給料泥棒であるかのような目で見られることがあります。
一方で、欠員による募集で入社した人は、すぐに担当業務を与えられるため、周囲の社員からは変な目で見られることはありません。
以下の章では、「募集の背景」を知ると得られる2つの有益情報について、もう少し詳しく説明します。
『欠員による募集』の方が採用されやすい。
採用の可能性を考えると、明らかに「欠員による募集」の方が採用されやすいのです。
考えて見れば当たり前ですよね。
②欠員による募集ということは、今まで居た人がいなくなったのですから会社としては補充しなければ仕事が回らなくなります。
新しく入ってくるまでの間は、既存の社員で残業をしながら対応している状況です。
しかし、既存社員もいつまでも自分の仕事以外の仕事に対して残業なんてしたくないはず。
人事担当者は急ぎ新しい人を雇おうとします。
その結果、採用に前のめり状態にならざるをえません。
応募者にとっては、この状態は追い風です。。
一方で、①増員による募集は、一見すると仕事量の増加、業務拡大に伴う採用なので、②欠員による募集と同じく採用されやすいように思われますが、実はそうでもないのです。
どういうことかと言いますと、
仕事の増加や業務拡大と言っても、いまはまだ増加も拡大もしていません。
これからの話です。
これから増加や拡大を見越して、先に新しい人を採用しようとしているのです。
つまり、採用側の会社には時間的余裕があるため、じっくりと見定めながら採用をおこなうことができます。
となると、採用のハードルは高くなり、応募者にとっては厄介な事態といえます。
『増員による募集』で入社すると手持ち無沙汰になるリスクあり。
『増員による募集』は、緊急を要する募集ではありません。
今後の仕事量増加や業務拡大を見越しての募集です。
ここで大事なポイントは「見越しての」の部分です。
見越してということは、将来のそうなるであろうということ。
裏を返せば、今はそうではないということです。
つまり、入社直後は、仕事がなく手持ち無沙汰になる可能性があります。
それでも、仕事量が増加するまでの間、何らかの仕事があれば良いのですが。。
既存の仕事にはすでに担当者が割り当てられているので、仕事は回ってきません。
入社したばかりで、何もすることがなくボッーとしているのもツラいですね。
特に周りからの視線がツラい。。。
本人に罪はないのに、まるで給料泥棒とでも言いたげな目で見られるですからね。
まったく嫌になりますね。
実は、これは全て私の経験した話です。
一方で、『欠員による募集』は手持ち無沙汰になることはありません。
前任者が退職や異動等でいなくなったため、そのポジションが空席になっているのです。
すぐにでも仕事を覚えてバリバリと仕事をすることを期待されています。
早く一人前の戦力になってほしいと周囲からも期待されるため、周囲の協力やサポートも得やすい状況になっています。
入社後を考えれば、明らかに「欠員による募集」で入社したほうが良いということです。
おわりに
ここまで募集の背景を知ることは2つの有益な情報をもたらしてくれることを説明してきました。
私個人としては、2つのうちの入社後の居心地についての情報を重宝します。
転職できても会社に馴染めずに辞めてしまうことを一番恐れるため、入社後に関する情報は出来る限り欲しい。
「増員による募集」で入社した場合、居心地を悪くする可能性があるということを知っておくだけでも有益な情報になるのです。
少なくとも一度嫌な思いを経験している私にとっては。。。
ところで、入社後に関する情報という面においては『転職エージェント』に勝るものはありません。
転職エージェントは求人を無料で紹介してくれるサービスを手掛けていますが、紹介求人に関しては細かい情報まで知らせてくれます。
無論、さきほどの入社後の職場環境についての情報も知らせてくれます。
例えば、欠員による募集の求人案件を紹介してもらうと以下のようなことを知らせてくれます。
- 欠員ができた理由
- 前任者がどんな人だったか
- 今度入社する人へ期待すること
- 所属予定部署の人員構成
ここまでの情報をもらえれば、入社後のイメージができやすいので、転職してこんなはずではなかった!ということがなくなるでしょう。
ただし、転職エージェントが扱う求人には限りがあります。
もしかすると、あなたの希望する仕事内容に関する取扱い求人数が少なく満足いかないこともあるかもしれません。
それでも利用するにあたっては費用はかかりませんですので、少なくともいま最も人気のある『ビズリーチ』には最低限登録しておきましょう。
転職活動は情報収集の戦いです。
できるだけ多くの情報を手にすることで、満足いく転職ができることを忘れないで下さい。
前述したとおり、募集の背景に関する情報は記載されない場合があります。
ハローワークの求人を見る限りではほとんどの求人に記載されていません。
その場合は、応募段階では分からなくても、面接に進んだ段階で質問するようにしましょう。
転職が成功かどうかの判断は、転職先が決まるかどうかではなく、入社後に活躍できるかどうかによります。
募集の背景を知ることは、入社後に活躍できるかどうかを教えてくれる数少ない情報だと私は考えています。
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