出世競争では敢えて敗者になるのも悪くない。

出世競争 働き方

「出世競争に勝ちたい!」

出世して大きな仕事をしたい。出世して給料を増やしたい。出世して自慢したい。

会社に入った以上は、そう思って仕事をしている人も多いのではないでしょうか。

しかし、出世することになると、多くの代償を払わなければなりません。

その代償の一部が労働時間が長くなる、精神的ストレスを受ける、といったものになります。

出世することは、良いこと尽くめではないということです。

今回は「出世競争に敗れることが、実り豊かな働き方の実現につながる」ということについて説明します。

出世するな!と言っているわけではありません。

出世しなくても、幸せな人生が送れるので、出世しない生き方も選択肢の一つとして頭の隅に入れておいてはどうかということです。

 

出世競争に真の勝者はいない。

出世競争は競争です。

競争である以上、必ず勝者と敗者がいるはず。

この場合の勝者とは誰になるのでしょうか。最終的な勝者は社長になるのでしょうか。

しかし、社長も業績不振に直面すれば、社長の座から引きずり降ろされます。

これでは、最終的に出世競争を勝ち上がったとしても、安住の地を手に入れたとは言えません。

本来、勝者とは「誰にも脅かされることのない地位を確保した者」を指しますから。

そう考えると、出世競争は勝者のいないゲームです。

別の言い方をすると、全員が敗者になるゲームということです。

ただし、敗者になるにしても、どの段階での敗者かは人それぞれ異なってきます。

  • ヒラ社員で終われば、第一ステージでの敗者ということ
  • 係長で終われば、課長職争奪戦での敗者ということ。
  • 課長で終われば、部長職争奪戦での敗者ということ。

同じ敗者になるにしても、どの段階で敗者になるかによって周囲からの見られ方は違ってきます。

出世競争は早めに負けた方がラクです。

出世競争は、会社員になった以上は、否が応でも参加しなければなりません。

「自分は出世に興味がない」「人を蹴落としてまで出世したくない」と言ったところで、それは通用しません。

会社組織にいる以上は、会社から評価の対象にされてしまいます。

ゆえに、出世競争に参加しないという選択肢はありません。

出世競争は強制参加です。

それでも、出世競争への参加は強制ですが、自主的に敗者となることはできます。

具体的に言うと『出世を狙わない働き方』をするということです。

会社の評価基準は、会社への忠誠心を尽くした社員を評価する傾向にあります。

会社への忠誠心というとぼんやりした感じになるので、もう少し分かりやすく言えば、上司への忠誠ですね。

具体的に以下のような行為などです。

  • 嫌な仕事を引き受ける
  • 遅くまで会社に残っている
  • 休日出勤や残業を快く引き受ける
  • 上司の意見に同調する
  • 上司の言われたことを忠実に実行する

とにかく、上司から好かれるような行動を取り続ければ、出世できます。

もちろん、仕事がある程度できることが前提での話になりますが。

ということで、話を戻します。

出世を狙わない働き方とは、もうお分かりだと思いますが、上司への忠誠心を示さずに自分のために仕事をすることです。

これで、あなたは出世競争の自主的な敗者になれます。

敗者になってしまえば、自分の心に嘘をついてまで上司に媚びたり、上司に過度な気遣いをしたりする必要はなくなります。

もし、あなたが自分らしく働くことを選択するのであれば、早いに越したことはありません。

早々に出世競争の敗者になりましょう!

ヒラ社員では寂しい気もするので、係長になって課長職争奪戦で敗れるくらいでちょうどよいのではないでしょうか。

このくらいの段階で敗退すれば、結構なバランスの取れた会社員人生が送れます。

出世しないほうが豊かな気持ちで働けます。

同期のなかで一番出世した者が、他の同期社員を見て羨ましく思うそうです。

「俺は同期の中で一番出世したけど、毎日、夜遅くまで仕事。上司からのプレッシャーがきつくて夜もぐっすり眠れない」

その人の性分にもよるのですが、神経質な人は休みの日まで仕事のことが頭を支配するようです。

管理職ともなれば、人の上に立つ仕事です。責任はこれまでとは比べ物になりません。

管理職の苦悩については念願の管理職になったものの、能力不足を痛感する日々は地獄です。で詳細に述べています。

これでは、出世しない方がどれだけ豊かな人生を送れることやら。

早く帰宅でき、帰宅後は趣味やスポーツの時間を楽しみ、休日ともなれば家族や友人と楽しく過ごせる。

それもこれも、仕事や上司からのプレッシャーを感じない日々を送れているからに他なりません。

実は、こうした豊かな人生を送ることで思わぬ副産物を得ることもできます。

それは仕事のパフォーマンスが素晴らしいものになるということです。

心が穏やかになり、気持ちも充実していれば、必然的に仕事も気分よく行うことができます。

それがひいては良好な人間関係をもたらし、仕事の流れをスムーズにします。

その結果、もしかしたら、思わぬ出世を果たしてしまうことになるかもしれません。

出世競争からの敗退と言っても、自分のなかで敗退したと決めているわけであって、会社はあなたが会社に居る以上は、ずっと評価し続けています。

おわりに

出世競争では早々に敗者となる選択肢もあることを述べてきました。

その最大の理由は「自分のために働くため」です。

そしてもう一つ、敗退したほうが良い理由があります。

それは「良き人間性を保つため」です。

出世競争に巻き込まれていると、否応なく人間性が悪化していきます。

出世競争とは仕事の実績を競い合うだけの競争ではありません。

それよりも、どちらかというと人間どうしの醜い争いの面が強く出てしまうものです。

ライバルを非難中傷する。責任を他人に転嫁する。陰口を言う。重要な情報を隠す。

もう挙げればキリがありません。

出世競争を続ける以上、こうしたドロドロの対人関係を続けていかなければならない。

この状況から逃れるためにも、出世競争から早々に降りるのも悪くはないのではないでしょうか。

自分のために働くこと、そして人間性を悪化させないように働くこと。

これが大事になってきます。

会社員であるからといって「出世することが全て」という考えでは窮屈な人生を送ることになりますよ。

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