「社長が会社を私物化する」
多くの会社において、社長の行為にはこのようなことが見受けられます。
私たち社員にしてみれば、たまったものではありません。
時には怒りさえ感じることもあります。
社長は会社のトップですから、大きな権限を有しているのは分かっています。
それでも許容範囲というものがあります。
何でもかんでも社長の言うことがまかり通るようになり、それが私たち社員の利益を損なうことになれば我慢する必要はありません。
大手企業のように社長がサラリーマン社長であれば、時間が経てば社長交代もありえるでしょう。
しかし、そうでない会社の場合は転職したほうがよいのでしょう。
今回は、社長が会社を私物化して、私たち社員が利益を損なっているのであれば早めの転職をすべきだという話です。
社長が会社を私物化するとはどういうことか。
社長は大きな権限を持っています。
・ヒトを動かすことができる
そして会社を存続させることも、たたんでしまうことも社長の考え一つでできてしまいます。(すべての会社がそうだということではない)
社長がこれだけの権限を持つことは当然と言えば当然です。
社長は会社経営者ですから、組織を動かして、そして競争に勝ち残っていかなければなりません。
そのために大きな権限をもっているわけです。
そのことについては私たち社員も理解はできます。
問題は、社長が権限を会社のために使わず、自分自身のために使っている場合です。
いわゆる「権力の私物化」です。
分かりやすい事例として以下の2つを紹介します。
①カネを自分の思い通りに使う
このように書くと、多くの人が接待交際費を想像するかもしれません。
飲食、ゴルフ、出張など会社のためだと称しながら、実は私的な満足のための出費しているのではないかということです。
もちろん、これらも社員から見れば、会社を私物化していると言えますが、今回は社員報酬について触れておきたい。
大企業のように労働組合があれば、昇給や賞与の金額は保証されますが、中小零細企業のような社長独裁企業では全て社長の胸三寸です。
頑張って実績を上げようが、会社が多くの利益を上げようが、社長が社員への報酬を上げないと決めれば上がらないのです。
つまり、会社のカネは社長によってコントロールされており、その決定によって私たち社員の報酬は上下してしまうのです。
②社員を自分の使用人として使う
仕事上の使用人であれば問題ありませんが、仕事には関係ないことでの使用人です。
私の実体験では、社長の自宅の庭の水やり、草刈り。
社長がひいきにしている政党の選挙応援。社長個人の税務申告の手伝い。
こういったことを社員の命令し、やらせるわけです。
中小零細企業にはよく見られる事例です。
社長が会社を私物化しているとする判断基準は難しい。
というのも、例えば、飲食代やゴルフなどの接待交際費は法律的には問題ないが、社長の元で働く『社員感情』として許せるかどうかになるからです。
社員一人ひとりの感じ方は違うでしょう。
社長がカネや人を好きなように動かすことに、何の怒りも感じない人もいる一方で、怒りに打ち震える人もいるでしょう。
ただ、社長の行動が会社の私物化だと感じる人が多ければ多いほど、会社にも多くの問題をはらむことになるのは間違いありません。
次節で詳しく紹介します。
社長が会社を私物化すると会社の成長はない。
社長が会社を私物化してしまうと、色々な弊害が起きてしまいます。
真っ先に考えられることは、社長への不信感です。
社長への不信感はそのまま会社への不信感へとつながっていくでしょう。
そうなれば、社員は会社の利益を度外視した仕事をします。
例えば、以下のような仕事をし始めるでしょう。
- 給料の範囲内での仕事しかしない
- イヤな仕事からは逃げ出す
- 部下を育てない
- 仕事を教えない
- 情報を共有しない
社長が会社を私物化している姿勢は、必ず社員に伝わります。
そして、多くの社員の心の中に「適当に仕事しておけばいいや」という感情が芽生えてしまうでしょう。
こういったことが全社的に広がってしまえば、会社はもはや成長できません。
会社利益の源泉は「人(ヒト)」です。
人がやる気を失ってしまえば、会社は散り散りばらばらです。
社長が会社が私物化しているということは、社長が公平・公正な経営を行なっていないということです。
それが如実に表れるのが人事です。
社長は自分の好き嫌いで人事を行なうため、社長の周りにはイエスマンしか集まりません。
「いかに社長に取り入れるか」
「いかにすれば社長に気に入られるか」
といったことを主眼に周囲は仕事をすることになります。
残念ながら、これでは会社の将来はありません。
社長の会社私物化であなたは損害を受けていませんか?
社長が会社を私物化することによる弊害は大きい。
社長が会社を私物化すれば、かなりの確率で、会社は成長しないだろうし、会社内の人間関係もギクシャクしてくるだろう。
ただ、あなたにとって重要なことは、いくら会社が弊害を受けようとも、あなたが弊害を受けるかどうかです。
社長が私的に接待交際費を使おうと、好き勝手な人事をしようと、あなた自身が弊害を受けさえしなければ問題ありません。
ということは、裏を返せば、社長による会社の私物化で損害を受けていれば問題だということになります。
例えば、会社が利益を上げていうにもかかわらず、あなたを含めた全社員に還元しようとしない。
例えば、あなたが社長に嫌われて不遇の環境に置かれている。
例えば、あなたが社長の支持政党の選挙応援に駆り出される。
他にもいろいろな事例はあるでしょうが、このように損害を受けることになれば、そのときは迷うことなく転職して下さい。
社長が会社を私物化してしまったら、社員の生活はめちゃくちゃです。
どうあがいても、社員の立場から改善することは不可能です
私たち社員ができることは、別の会社に移ることだけです。
私のいまの会社は中小零細企業です。
夏冬の賞与は社長の胸三寸です。
会社が大きな利益を上げたにもかかわらず、賞与が雀の涙ほどだったこともあります。
社長は利益を会社に貯めておきたいという考えで、社員には還元しません。
これは社長の会社の私物化によって、私たち社員一同は被害を被っていることを示しています。
つまり、いまの社長であるかぎり満足な賞与を手にできないということです。
満足な賞与を手にしたければ、いまの社長とおさらばするべく転職するしかありません。
それでも、まだ将来的に社長が交代する可能性があれば転職を思いとどまってもよいですが、中小企業である以上それも期待薄です。
おわりに
人の上に立つ人は人間性もきっと素晴らしい!
私は若いころはそう思っていましたが、いまではその考えは微塵もありません。
人は権力に酔いしれます。
権力を持った途端に勘違いをおこすのです。
そこで、自制心を発揮して謙虚に経営ができれば、その人は立派な経営者になっていくのでしょう。
しかし、そういった人は少数です。
ほとんどの社長は会社を私物化しています。
もし、あなたがその犠牲者になっているのでれば、躊躇なく転職しましょう。
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だから、求人を出している会社の社長の人柄や考え方についての情報も持っている可能性が高いでしょう。
同じ仕事をするのであれば、公正公平な会社で、社長に振り回されない会社で仕事をするべきです。
世の中には会社を私物化しない社長も、少なからず存在します。
そういった社長に出会えるためには地道に転職活動をするしかありません。
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