「転職活動を始めるぞ!」と決意した方々へ。
まず最初に決めなければならないことがあります。
それは「転職活動を在職中に行うべきか、それとも退職して行うべきか」です。
このようなことを書くと、
「えっ?そんなこと聞くまでもないでしょ。在職中に行うべきに決まっているでしょ」
という声が聞こえてきそうです。
確かにその通りです。
理想は『在職中に転職先が決まること』です。
在職中に決まれば、無職を経験せずに次の会社へ移れます。
無職になると「どこも採用してくれなかったら、このまま永遠に無職かも」といった不安で夜も眠れないかもしれません。。
しかし、そういう不安は覚悟の上で、あえて退職してから転職活動をする人もいるのです。
その人たちはその人たちなりの考えがあってのことです。
私は在職中の転職活動も、退職してからの転職活動も両方を経験しています。
今回は、転職活動は在職中にするべきか、それとも退職後にするべきかについてお話しします。
在職中に転職活動を行うのが一般的な考え方。
ミドル世代の転職はキャリア採用です。
キャリア採用とは、会社が求める仕事内容に対して知識や経験がある人を採用することです。
そのため、応募者のほとんどは経験者です。
会社はその中から能力・スキルの高い人を選べばよいのです。
選考期間は短く、面接回数も1~2回といった感じです。
ちなみに余談ですが、新卒の就職だと少し話が違ってきます。
仕事の経験がゼロのため人物重視の採用になります。
人物重視採用とは、その人物が将来会社の戦力になってくれるかどうかを見極めることです。
これは、実績経験重視のキャリア採用と違って、かなり難しい採用判断を迫られます。
そのため、筆記試験も一般常識から適性判断試験まで幅広く、面接回数も3回以上行う会社もあります。
以上ここまで余談です。
採用プロセスが短いことは転職希望者にとってはメリットです。
できるだけ費用や時間はかけたくありませんからね。。
しかし、転職活動には新卒の就職活動にないデメリットがあります。
それは「求人案件の数が限られていること」です。
先程述べたように、転職はキャリア採用のため応募できる職種は限定され、求人数も限られてしまいます。
そのため、少ない求人数の中から希望の求人案件が出てくるまで、ひたすら待ち続ける日々を送ることになります。
この期間は、はっきり言って『未知数』です。
求人案件の出てくるタイミングしだいといったところです。
転職活動のなかの潜伏期間といったところでしょう。
そして「潜伏期間の未知数」が転職活動に『ある制約』をもたらします。
ある制約とは「転職活動を在職中に行わないといけない」ということです。
会社を辞めてから職探ししていては、いつまで潜伏期間が続くのか不安で仕方ありません。
すぐに希望の求人があれば良いが、もしかしたら半年間、いや1年間待つなんてことに。
⇒転職したいときに希望の求人案件が出ていない。唯一の打開策はひたすら待つことです。
そして、その間の生活はどうなるのか。考えただけでもゾッとしますね。
そのため、転職活動は在職中に行わざるをえないということになります。
そこで一つの疑問が出てきます。
「わざわざ退職してから転職活動を行っている人がいますが、いったい何を考えているのか?」といった疑問です。
ただ単に何も考えていない人なのか。それとも仕方なく失業に追い込まれた人なのか。
実際にそういう人もいるかもしれませんが、
多くの人は、退職して転職活動を行うことに対してきちんとした理由を持っています。
その理由とはいったい何なのかを見ていきたい。
退職して転職活動する人の狙い
生活の心配をしたくないという理由から在職中の転職活動を行う人が多いなか、あえて会社を辞めて転職活動する人もいます。
なぜ、いまの会社を辞めての転職活動を選択するのか。
その理由は主に2つあります。
1番の理由は早く転職したいということです。
採用プロセスが短いという点は転職希望者にとってはメリットです。
ただし、採用プロセスが短いとからといって、転職するまでの期間が短くなるということではありません。
その原因は採用試験の日程調整にあります。
同じ転職活動でも、在職中の人と辞めてフリーになっている人では日程調整という点において大きな差が生じてしまいます。
当然ながら、在職中の人は日程調整に苦労します。
- 会社指定の面接試験日に行けるかどうか。
- 面接試験日の希望を聞き入れてくれるにしても、仕事が休めるかどうか。
- 面接試験が2~3回となれば、短い期間にそれだけ仕事を休めるかどうか。
私も日程調整できずに転職チャンスを逸してしまったことがあります。
回数で言うと10回は越えていると記憶しています。
そして、めでたく採用を勝ち取ったあとには「入社日の調整」が待っています。
- 今の仕事をスムーズに辞めることができるのか。
- いつ辞めることができるのか。
在職中の人はこうした日程調整に常に悩まされます。
その結果、どうしても転職までの期間が長くなってしまいます。
これらの問題を一気に解決する方法が『会社を辞めて転職活動をする』ということです。
求人案件さえ見つかれば、転職までの時間はあっという間です。
その期間は在職中の人と比べると2~3か月は早くなるでしょう。
2番目の理由はハローワークの活用です。
ハローワークは国が運営している職業安定所です。
取扱い求人数は国内最大です。求人を出すのが無料という理由からです。
求人数は国内最大でも、中身は玉石混交。
良い案件もあれば、ひどい案件もあります。
ご存知の方もいるでしょうが、ハローワークの求人に応募するためにはハローワーク発行の「紹介状」が必要となります。
そして、この「紹介状」ですが、ハローワークの窓口に本人が直接行かなければ発行してもらえません。
在職中の転職希望者は、これができないのです。
ハローワークを利用しての転職を希望する人であれば、紹介状発行をしてもらうために平日昼間の時間を捻出しなければなりません。
・ハローワーク求人の応募には紹介状が必要。これが在職中の転職希望者には厄介です。
この点に関して、会社を辞めて転職活動をする人は全く気にする必要がありません。
転職活動を在職中or退職後?決め手は・・・
転職活動を在職中にするか。それとも、退職した後にするか。
どちらか一つの答えを出すのは正直難しい。
それぞれに一長一短がありますからね。
私はこれまでに、在職中の転職活動も、退職してからの転職も両方をそれぞれ経験してきました。
その時々で異なる選択をしてきましたが、その決め手になるものは何だったのかを改めて考えてみたところ、以下のことが分かりました。
それは『在職中の転職活動がしやすい会社であるか、そうでないか』です。
在職中の転職活動を希望する人の多くは、収入の問題や転職先が決まらなかった時のリスクを考えてのことでしょう。
私もそうでした。
できるだけ在職中に転職先を見つけて、失業期間なく次に移ろうと試みました。
しかし、それを許してくれない雰囲気の会社もあるということです。
まず、有給休暇が全く取れない。法律的には取れますが取れる雰囲気ではない。
そして、仕事が次々に舞い込むので一日休むと周囲に迷惑をかかってしまう。
このような会社で転職活動を続けることは、かなりの神経をすり減らすことになり、実際に上手くいきませんでした。
結局、このような会社に居たときには、在職中の転職活動を諦めて、退職してからの転職活動を選択しているのです。
それと、これは私の友人の話ですが、
在職中の転職活動で何よりも怖いことは、転職活動がバレテしまった時です。
転職活動をしているのがバレてしまったら、会社員としてその会社での居場所はなくなります。
居場所がなくなるということは、実質的には「社内失業」ということです。
会社に居て給料はもらえますが、周囲からは裏切者のレッテルを貼られるので大事な仕事は回って来ず、出世もありません。
そうなれば、残された道は会社を離れることだけです。
転職活動をして良い転職先がなければ、いまの会社に残るという都合のよい選択肢は消えてしまうということです。
転職活動がしやすい会社であれば、在職中の転職活動をおススメします。
しかし、そうでなければ半年間の生活費を貯めた後に、退職して転職活動することをおススメします。
その方が、気分よくスムーズに転職活動に専念できるので、思いのほか早く転職が決まったりします。
おわりに
転職活動を在職中にするか、それとも退職してするかについて悩んでいる方は、
『いまの会社が転職活動しやすい環境』にあるかどうかによって決めて下さい。
そして、何よりも大切なことは『転職したいという気持ちの強さ』です。
「何気なく転職したいなあ」と「何としても転職しなければならない」では、転職成功度や転職するまでのスピードは全く違ったものになります。
転職したい気持ちが強ければ、在職中のやりにくい環境でも転職は成功します。
私にはそれがなかったので、転職活動しにくい環境では退職しての転職活動を選択してしまったわけですが。
あなたは転職に強い決意をお持ちですか。
まずはそのことを確認することが先決です。
そして、それが確認できしだい実際に転職活動に入っていきましょう。
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