「仕事をする目的は何ですか」と問われれば「生活のため」と答える人がほとんどでしょう。
もしかしたら、他の答えを用意している人もいるかもしれません。
しかし、その答えは「生活のため」の次に来る2番目以降の答えでしょう。
やはり、仕事をする第一の目的は「生活のため」です。
そう考えるのであれば、すでに生活できるだけの充分な財力を持っている人は、別の目的を持って仕事をしていることになります。
では、それだけの財力をあなたが持っていたとしたら、あなたは何を目的として仕事をしますか。
それとも、リタイアして、のんびり遊んで暮らしますか。
ここからは、私の勝手な想像です。
おそらく、多くの人は、有り余る財力を持ったとしても仕事を続けると思います。
では、何のために?
それは、社会との繋がりを保つため、そして社会の役に立ちたいという目的のためです。
ここで、仕事をする目的とは何かというテーマで哲学的論争をするつもりはありません。
私が言いたいことは、たった一つです。
人は生活のために仕事をしているが、それだけではないということです。
人はパンのみでは生きていけない動物なのです。
とりわけ、人は年齢を重ねるごとに「社会の役に立ちたい」「人の役に立ちたい」と思ってくるものなのです。
会社内において、20代~30代の頃は、自分の成果や実績をあげることばかりに関心が向いていましたが、40代に入ると、部下や後輩を育てることに関心が向かってきます。
これも、人の役に立ちたいという気持ちの表れと捉えることができるのではないでしょうか。
今回は、ミドル世代になったら社会のために働くことも選択肢に入れてみてはどうですか、というにお話しです。
社会に役立つ組織は世の中に数多く存在する。
社会のため、人のために仕事をしている組織として、まず思いつくのはNPO法人です。
NPO法人とは、非営利団体のことです。
非営利という文言が入るくらいですから、利益を上げるのが目的ではなく、社会貢献のために設立された団体ということは想像に難くないでしょう。
非営利団体となっていますが、そこで働く者には給料は支払われます。
ボランティア団体のような善意での労働ではありません。
ゆえに、NPO法人の職員は、仕事をする目的である「生活のため」を満たしながら、社会のため、人のために働くことができるわけです。
現在において、NPO法人の認知度は高まり、ベンチャーを立ち上げるような感覚で、優秀な人材が、NPO法人の立ち上げに参加するようにもなっています。
内閣府データによれば、50,000件を越すNPO法人が認証されているようです。
それだけの数のNPO法人が、社会のため、人のために何かをなしたいという目的で誕生し、そして存続しているわけです。
そして、そこで働く人は、社会に役立つ仕事をしているということになります。
では、一般の民間会社で働く人は、全く社会的意義のある仕事をしていないのか言うと、決してそんなことはありません。
民間会社は何らかのモノもしくはサービスを提供しており、その対価を得ることで成り立っています。
消費者が、お金を払ってまで、その会社が提供するモノを購入するということは、その会社は社会の役に立っているということです。
そして、民間会社は利益に応じて税金を支払っています。
つまり、民間会社も、NPO法人同様、社会に役立っている組織なのです。
民間会社で働くことでの社会貢献に関してはこちらの記事に書いています。↓
・40代だからこそ『社会的意義のある仕事』に就こう!
社会に役立ちたいのであれば、NPO法人で働くべきです。
民間会社も社会に役立つ存在です。
しかしながら、民間会社の社会的意義は「後付け」の部分もあります。
どういう意味か。
それは、会社は利益をあげるために、消費者にモノやサービスを提供しているということです。
利益が先(さき)に来て、消費者の役に立つことは後(あと)に来ている感があるのです。
その証拠に、利益にならないことはいくら消費者のためといえども行いません。
山奥の過疎村に宅配便はありません。コンビニだってありません。
採算が合わなければ、民間会社は出店しません。
税金については義務の一環で払っているだけです。できれば、払いたくない。だから節税対策を必死になってやってくるわけです。
というわけで、民間会社の社会的意義は気持ちのある温かいものではないということです。
本当の意味で、社会のため、人のために働きたいと思う人は『NPO法人』で働くべきだと思います。
もしくは、民間会社で働きながら、休日にボランティア活動でも素晴らしいと思います。
大事なことは、社会の役に立っているという実感を得るような行いをすることではないでしょうか。
人生にはステージに応じた働き方があります。
40代に入る少しずつ周りが見えてきます。そして、自分の存在意義を考えたりするようにもなってきます。
お金や地位を求める働き方から、社会の役に立つ働き方にシフトしていくのも自然な流れであるように思えます。
現在は、昔と違って多様な働き方が受け入れられる時代になっています。
おわりに
40代になると仕事人生の折り返し地点です。
いまの道を突き進むのか。それとも、新しい他の道に舵を切るのか。
このあたりで一度立ち止まって考えてみるのも良いかと思います。
そのときに、自分の欲望を脇に置き、社会貢献や社会的意義という視点から仕事を選択してみるのも悪くないでしょう。
私はそういった経験はないのですが、NPO法人で働いている友人は「会社員時代には味わえなかった充実感を得ることができる」と言っています。
会社員生活に疲れを感じている人は、一度検討する価値があるのではないでしょうか。
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