会社のなかでの「飼い殺し」とは、社員を安い給料で一生使い続けること。
社員を飼い殺しにするような会社は、以下のような卑劣な戦略を採ります。
- 自社のみにしか通用しない仕事のやり方を徹底させている。
- スキルや能力が向上しないような仕事をさせている。
意外だと思われるかもしれませんが、飼い殺しに遭っている社員は自分がひどい目に遭っているという認識はありません。
仕事内容はそれほど難しいものではなく、ほぼ単純労働に近いものばかり。
そのため、給料は安いが、それでも休日はきちんと与えられ、残業もそれほど多くはありませんので、居心地は決して悪くはない。
しかし、これが飼い殺しの恐ろしい点です。
日々の単純労働に慣れ切ってしまい、スキルや技術の向上なく、無駄に年齢だけを重ねてしまっているからです。
あなたが50代になったとき、もし年相応のスキルや技術を持っていなければどうなりますか?
20代の社員と同じスキルや能力しか持っていなかったらどうなりますか?
これは、飼い殺しに遭っている社員に実際におきている現象です。
飼い殺し状態ではスキルや能力のレベルアップが叶わないため、全く成長できません。
まさに『成長の完全ストップ状態』です。
これでは、いまの会社にしがみついて生きていくしかありません。
給料が上がらなくても、会社に不満があっても、他社へは転職できません。
なぜなら、スキルや技術が備わっていないからです。
そして、会社に経営危機がおこれば、真っ先にリストラの対象とされ、そのあとの再就職は困難を極めることになるでしょう。
なぜなら、スキルや技術が備わっていないからです。
こうならないためにも、一日も早く飼い殺し状態から抜け出す必要があるということです。
今回は、飼い殺し状態にされることの怖さ、そしてそこからの脱出方法について紹介します。
どうして飼い殺し状態がヤバいのか。
飼い殺しとは「檻の中に入れられて、生命を維持できるだけの食事を与えられて生かされている」といったイメージでしょうか。
こういう説明をすると「動物園にいる動物」をイメージされると思いますが、まさにそれに近い状態です。
「動物園にいる動物」は自由はないが、とりあえずは、きっちりと餌が与えられるため、餓死する心配はありません。
さらには、敵に襲われる心配もなく、厚い保護のもとで過ごすことができます。
しかし。。。
もし「動物園にいる動物」が、いきなり野に放たれたらどうなるでしょうか?
間違いなく死が待っています。
なぜなら狩りの仕方も知らないし、天敵から身を守る術も知らないからです。
ただし、これは仮定の話です。
実際には、動物園の動物は一生死ぬまで、動物園に面倒を見てもらえます。
一方の飼い殺し状態に遭っている社員は、スキルも技術もないために外の世界に飛び出すことができず、いわば檻の中にいる状態。
安い給料で単純労働に明け暮れる毎日です。
しかし、動物園との動物と決定的な違いは「飼い殺し状態にある社員は、退職まで安泰に過ごすことはできない」ということです。
会社が危機に瀕すれば、一番に肩叩きの対象者としてリストアップされます。
長らく飼い殺し状態であったたために何の武器も持っていない。一人で食べていけるだけのスキルがないのです。
これでは、野に放たれた「動物園の動物」と同じ状況です。
悲惨な末路が目に浮かんできます。
なぜ飼い殺し状態の社員は脱出しないのか。
これだけ飼い殺しの状態に置かれていることがヤバいと言われていながら、なぜ脱出しようとしないのか。
なかには、既に脱出した社員もいるでしょう。
しかし、その数はごく一部です。
おそらく、会社に留まっている人の多くは「早く脱出しなければならない」と頭で分かっているのです。
しかし、実際に動かない。
それは危機意識がないからです。
いますぐに何とかしなければという切迫感がないのです。
飼い殺し状態にある社員は、いまの状態に我慢できないことはありません。
少なくとも、いまは、単純な仕事で給料を貰えるし、休みはもらえるし、残業もそんなに多くない。
となれば、脱出しようというパワーは湧いてきません。
ある意味、仕方のない事かもしれません。
飼い殺しにされやすい人の特徴
そもそも飼い殺しにされやすい人とはどういった人か。
一言でいうと主体性のない社員です。
- 引っ込み思案な性格の社員
- 指示待ちの社員
- 行動力のない社員
主体性のある社員は、飼い殺し状態にされていると気付いた瞬間、会社を出て行こうとします。
危機感が自らを突き動かすのです。
そして、残された社員が飼い殺し状態にされている社員ということになります。
飼い殺しされる社員は、元々は仕事ができる可能性を秘めた社員です。
それにもかかわらず、会社のコントロールによって、その会社でしか通用しない特別仕様の社員に育て上げられてしまったわけです。
飼い殺し状態の社員は、飼い殺しされていることに、始めは気付かないのですが、時間の経過とともしだいに気付きはじめます。
その時点で、主体性のある人は会社を出ていきます。
主体性のない人は出て行く勇気がなく、仕方なく会社に留まります。
それでは、主体性のない人は、今度も会社で飼い殺しにされたまま生きていかなければならないのか。
次項では、主体性のない人の脱出方法について述べたいと思います。
飼い殺し状態から脱出するために転職支援を受けよう。
飼い殺しの問題は、引きこもり問題に似ています。
引きこもりの人はいまは親に養われているため生活できますが、いつか親はいなくなってしまいます。
そのとき、生活が立ち行かなることは分かっているはず。
だから、いまのうちに何とか自立したいと思っていることでしょう。
しかし、動くことができません。
最後は、NPOやカウンセラーの人たちの力を借りることになります。
「自力でできなければ、他人の力を借りる」というのは理に適った方法です。
飼い殺し状態にある社員も、自力での脱出が難しいのであれば、他人の力を借りても良いのではないでしょうか。
世の中には『転職エージェント』なるものがあります。
転職エージェントは、転職に関してあらゆる面からサポートしてくれます。
簡単な登録をするだけで会員になれ、様々なサービスを受けることができます。費用は一切かかりません。
様々なサービスのなかに、適性と能力に応じた求人を紹介してくれるサービスがあります。
メールにて求人情報を届けてくれます。自分で求人を探す必要はありません。
その中から、自分が成長できると感じる仕事、やりがいを感じる仕事を選択すればよいのです。
そして、書類作成のサポート~面接対策~条件交渉まで転職に必要なことについては、キャリアドバイザーが支えてくれます。
大事なことは、外の世界を見ることです。
いまの飼い殺しされている会社での仕事以外の仕事を知ることです。
転職エージェントは多数ありますが、『ビズリーチ』(直接スカウトから連絡が来ます)を利用するとよいでしょう。
きっと飼い殺しからの脱出をサポートしてくれるでしょう。
おわりに
飼い殺しは、厄介な問題です。
痛みや苦しみがあれば「すぐにでも転職しよう」となるのだが、飼い殺しに瞬間的な痛みや苦しみはありません。
だから、ついつい、そのままになって時間だけを無駄に過ごしてしまいます。
この流れを断ち切るのは容易ではありません。
自分をしっかり持っている人であれば、自力で飼い殺し状態からは抜け出ることができます。
しかし、普通の一般の人は、飼い殺し状態から脱するために、転職エージェントのサポートを受けるべきなのです。
たとえ、転職が上手くいかなくても、いまの飼い殺しにされている会社以外の会社について知ることができる良い機会になります。
日本の鎖国状態が終わりを迎えるきっかけは、欧米諸国に関する情報が日本に入ってきたことにあります。
それに習えではないですが、飼い殺し状態からの脱出のきっかけは、他の会社の情報を手にすることかもしれません。
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