転職希望者にとって「ハローワークは絶対不可欠な存在」です。
たしかに、ハローワークを利用するにあたっては不都合な点はあります。
詳しくはこちらの記事に書いています↓
・ハローワーク求人の応募には紹介状が必要。これが在職中の転職希望者には厄介です。
それでも、ハローワークを利用することをおススメします。
私がハローワークの利用を勧める理由は、求人数の圧倒的な多さではありません。
では、どういった理由からか?
その理由とは「ハローワークの取り扱う求人が全国津々浦々までカバーしていること」です。
ハローワークの知名度は抜群です。
テレビコマーシャルなどの宣伝をすることはありません。にもかかわらず、誰もがハローワークのことは知っている。
それは、ハローワークがどこに住もうが常に身近にある存在だからです。
設置数は540所近くにのぼります。
これは、次のことを意味しています。
『あなたが、日本のどこに住んでいようと、あなたの住まいの近くで求人案件を見つけることが出来るということです。』
これが、ハローワークを利用する最大のメリットです。
現在は、民間の就職転職会社や求人雑誌などが取り扱い求人件数を伸ばしてきています。
しかし、ハローワークのように全国の隅々まで求人案件を取り扱うことはできません。
どうしても、求職者と企業が多い都心部での求人件数が多くなってしまいます。民間転職会社なので採算を考えればそうならざるを得ません。
あなたが、都心部での就職を希望しているのであれば、ハローワークを利用せずに民間転職会社を利用することで事は足ります。
しかし、都心部以外に住んでいるのであれば、民間転職会社の求人案件が少量のため、ハローワーク求人を抜きにして転職活動を行うことはできません。
この点にハローワークの存在感があります。
「これほどまでに大きな存在感を放つハローワーク」
はたしてハローワークが取扱っている求人の中身はどうなのか。
今回は、ハローワーク求人の特徴を『良い点』と『悪い点』のそれぞれについて述べていきます。
ハローワーク求人案件の良い点
ハローワーク求人の良い点とは、バラエティに富んでいることです。
求人のなかには、大企業もあれば中小零細企業もあります。
都心部の求人もあれば、地方の田舎の求人もあります。職種もホワイトカラーから肉体労働まで何でもそろっています。
人材を求めている企業は、まずはハローワークに求人を出します。
そのため、ハローワークの求人は『ボリューム』と『バラエティ』の2つを兼ね備えています。
これが成しえるのは、以下の2つの理由からです。
- ハローワークが全国に拠点を張り巡らされていること。
- 求人掲載料が無料であること。
企業が『無料』で求人を出すことができる。
このことが、ハローワーク求人に『ボリューム』という良い面をもたらしています。
ハローワーク求人案件の悪い点とその対処法
しかし、一方で、『無料』の掲載料がハローワーク求人の悪い面をもたらしています。
その最たるものが『求人の質の悪さ』です。
これは、ハローワークを利用した人であれば、ほとんどの人が感じていることではないでしょうか。
企業が『無料』で求人を出すことができる。
このことが、積極的に採用する気のない会社の求人を生んでしまっています。
『積極的に採用する気のない会社の求人』とは、どんな求人なのか。
- 採用基準を100%満たす場合しか採用する気がない求人
- 採用枠がないにもかかわらず掲載したままの求人
- ハローワークの職員に頼まれ、仕方なく出している求人
求人を出すのに費用がかからないため、こうした事態が起こります。
民間転職会社であれば、こういった事態は絶対に起こりません。
求人を出すのに結構な費用が発生するからです。
では、ハローワーク求人で『積極的に採用する気のない会社』を見抜く方法があるのでしょうか?
以下は、私の経験によるものです。
次に示す3点を同時に満たしている求人は『積極的でない求人』です。
- 掲載期間が『長い』こと
- 求める人材のハードルが『低い』こと
- 待遇条件が『良い』こと
まずは、掲載期間が長い求人をチェックしましょう。
ハローワーク求人票には『受付年月日』が上部に記載されています。
この『受付年月日』から現在までの期間がその求人の掲載期間になります。
ただし、掲載期間が長いことだけでは『積極でない求人』には該当しません。
採用基準を満たす人が来なかっただけかもしれません。
そこで、次に『仕事内容』『必要な経験等』『必要な免許・資格』をチェックします。
この3つの欄をチェックすることで会社が求める人材のハードルが高いか、低いかが分かります。
求める人材のハードルが低いのに、採用者が決まっていないとなれば『積極的でない求人』の可能性が出てきます。
しかし、求める人材のハードルが低くても、待遇条件が悪ければ、応募者は来ません。
そこで、さらに待遇条件となる『賃金』『賞与』『休日』をチェックします。
求める人材のハードルが低いうえ、さらに待遇条件まで良いのに、採用者が決まっていないとなれば、いよいよ『積極的でない求人』の可能性が高くなります。
これで数多くの求人の中から『積極的でない求人』の目星をつけることはできるでしょう。
そういった求人には応募しても不採用通知を受け取ることになるので応募は控えましょう。。
そして、ハローワーク求人には、もう一つ悪い点があります。
「求人内容に記載されている内容と実際に入社してからの内容が異なる」ということです。
実はこちらのほうが深刻です。
というのも、求人内容と実際の内容が異なることが判明するのは入社した後だからです。
気付いた時にはもう取り返しがつきません。
なぜ「求人内容と入社後の実態が異なるといった事態」が起こるのか。
このような事態は、中小零細の会社や社長ワンマン会社にありがちなことです。
大企業のように人事や労務管理に精通した人がいないため、採用プロセス中での説明が不足しているからです。
こういう会社は、おそらく雇用通知書や労働契約書を交わすこともしないでしょう。
以下は、私の体験談です。
私が、採用の内定の電話をもらった時に、給料金額も示さずに入社の意思を確認されたことがありました。
私の方から「給料の額を聞いてないのですが?」と言ったところ、採用担当者は「○○マン円~△△マン円の間になると思います」と言ってきました。このいい加減な返事には呆れてしまいました。
後日、その会社はお断りしました。
入社前にきちんと雇用条件を提示しない会社は、入社を辞退するべきです。
でないと、入社後にこんなはずではなかったという事態になりかねませんからね。
では、どうすれば、こうした事態を防ぐことができるのか。
最大の防衛策は、内定後に『雇入れ通知書』の作成をしてもらうこと。
これを作成してもらうのは『言った言わないの証拠』のためだけではなく、相手先企業に対して『雇用条件は書面にするほど大事なこと』と認識してもらうためです。
こういった会社は、人を雇うことの重大性を理解していません。
さらに言えば、働く者の立場や権利も理解していないでしょう。
それを判断できる箇所が求人票にあります。
それは『育児休業取得実績』や『介護休業取得実績』の項目です。
『実績あり』になっていれば、社員の権利や福利厚生に理解のある会社だと判断できる1つの材料にはなります。
それと、労働組合の有無の項目も見逃さずにチェックしてください。
組合があれば、社員の権利に口を挟んでくれますので雇用条件はきちんと守る会社です。
おわりに
ハローワークの求人の悪い点について述べてきました。
- 積極的に採用する気のない会社の求人
- 求人内容と入社後の実態が異なっている会社の求人
こうした求人が、良い求人のなかに混ざって潜伏しているのです。
それを求人票のみをもって見分けることは至難の業でしょう。
ただ、恐れていては何も始まりません。
あなたの気に入った求人があれば、どんどん応募しましょう。
無料なので遠慮はいりません。
最後に、一番大切なことを言います。
「面接官との相性が合えば、それはあなたにとっての良い求人になります」
話が合うということは、価値観が合っているということですからね。
最後は、あなた自身の直観を信じましょう。
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