大企業は大きな振り子のようなもの。
小さく振れることはできません。
動くときは大きく振れ動きます。それも世間の注目を集めるほどに大きく。。
その動きのひとつが『社員の大規模な配置転換』です。
企業は生き残るために世の中の変化に対応していかなければなりません。
まさに会社の機動力が問われるいるのです。
大企業のような大きな組織は、動くのに大きな力が必要となるため初動は鈍い。
しかし、いったん動き出すとその威力は大変凄まじいものがあります。
その威力に多くの社員が否応なく巻き込まれてしまいます。
そして、社員の中には会社を追われるという不幸な末路を迎える者が出てくることも。。
今回は、大企業の配置転換がリストラの前兆であることについて説明します。
事業再編による余剰人員の大量配置転換
大企業は多くの事業を行っています。
事業によっては儲かっていない事業もあるでしょう。
そのさいには儲かっていない事業を廃止し、儲かっている事業へと社員を配置転換します。
これが『事業再編による配置転換』です。
製造メーカーによくあるケースです。
製品サイクルにより、A製品の人気が陰り、B製品の人気が出始めるといったケースを考えてみてください。
そのとき、会社はB製品の生産・販売に人やカネをシフトし始めます。
A製品に携わっていた社員は、B製品の事業部へと異動になります。
異動と言っても職種の変更はありません。
もう一つの例として、小売業の多店舗展開についても同じようなものです。
閉鎖した店舗の人員を新しい店舗へ異動させることになります。
この場合も、職種は変わりません。
ただし、事業再編による配置転換は勤務場所が変わるため、転勤の可能性が出てきます。
転勤については生活基盤を動かすことになるため、そう簡単な話ではありませんよね。
AI導入による余剰人員の大量配置転換
『AIに私たちの仕事が奪われる』
最近はテレビや雑誌などで盛んに言われている言葉です。
その波がいよいよ押し寄せてきています。
まずターゲットにされるのが間接部門ですね。事務系の仕事ですね。
大企業の間接部門は、大量の書類やデータをやり取りしています。それもシステム化されているため、AIに置き換えやすい。
そこで余剰となった人員は別の職種へ大型配置転換です。
この場合の大型配置転換は、事業再編の場合とは異なります。
『職種が変わる』
『仕事内容が変わる』
最近、以下のような大企業の大規模な配置転換に関する報道がありました。
「ある大手メーカーが何千人といった間接部門の社員を営業やSEへ配置転換する」
事務から営業への異動は全く畑違いの職種変更です。
これはかなりツラいですよ。
見え隠れしている企業のリストラしたいという本音
『大規模の配置転換』
その裏には、企業の本音として『余剰人員のリストラ』があります。
しかし、日本では解雇は難しい。
それで仕方なく、他の事業や他の職種へと異動してもらうことになります。
転勤を伴う配置転換、職種変更を伴う配置転換、どちらも相当にきついですよね。
まだ若ければいいでしょうが、40歳過ぎての再スタートとなると、それだけの精神力が持つかどうかです。
この状況では、会社がリストラをせずとも自ら離脱していく者も出てくるでしょう。
「これまで生活していた場所を離れたくない」
「これまでの職種を続けたい」
こうした理由から転職する人は出てきます。
これが会社の狙いです。
大規模配置転換のニュースが出た後での転職は遅い。
転職する者が出てくると書きましたが、順調に転職できるかどうかは微妙なところです。
というのも、大規模な配置転換に遭った社員は転職活動の面接では「色メガネ」で見られてしまうからです。
大企業が大きな配置転換する場合はニュースになります。だれの耳にも入るくらいの規模で伝えられます。
そんな中、転職活動で面接に行けば、転職希望者は「転職理由は配置転換によるもの」と答えるでしょう。
そこで、面接官が転職理由を額面通りにとってくれれば良いのですが、面接官の中には転職理由を額面通りに受け取ってくれない者もいます。
どういうことか?
「もしかしたら、大規模な配置転換の背後で退職勧奨を受けている社員かも」といった感じに取られてしまうということです。
配置転換の辞令を受けた社員のうち全員が、新しい場所に席を用意されているわけではありません。
そのため、何人かは辞めてもらわなければなりません。
そこで、会社は退職勧奨というリストラを裏でおこなっています。
面接官はそれを理解しています。
面接官は人事部の人間です。同じ人事だから『大量配置転換の裏側の実態』を把握できるのです。
これでは、面接に行っても採用されるのが難しくなってきます。
いくら実力があっても、いくらリストラされていなくても「リストラされる能力のない人かも?」といった勝手な印象をもたれてしまいます。
やはりニュースの影響は大きいですね。
これは風評被害のようなものです。
おわりに
大企業は待遇はいいが、いったん歯車が狂いだすと、社員の生活は一気に窮地に陥ります。
賞与が減るとかそういったレベルではなく、生活を脅かされるほどの大きなダメージを受けることになります。
襲ってくる波が大きくすぎて、個人では対処できません。
これが大企業で働く者のリスクです。
ちなみに、大企業には出世競争が激しいため左遷降格といったリスクもあります。
⇒左遷降格は大企業にいれば避けて通れない。それでも復活のチャンスをくれる企業はある。
大企業はルーティン業務のボリュームが大きいため、AIの導入によるコスト削減効果は絶大です。
そのため、AIを導入できるところにはどんどん投入してきます。
もし、あなたが大企業勤務で、あなたの仕事がAIにとってかわられる内容であれば、すぐに転職活動を始めてください。
いまは大丈夫かもしれなくても、必ず近い将来AIを入れたコスト削減が行われますから。
AIが導入されて、余剰人員の大規模配置転換が実施されてからでは遅すぎます。
戦いでもそうですが、勝敗の雌雄は準備段階で決まります。
早めの準備だけはしておいてください。
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