実力を上回る厚待遇での転職は、新しい職場で嫉妬を受けることになる。

転職の怖さ

転職の理由で最も多いものが『待遇改善』です。

待遇改善と言っても、人それぞれに求めている待遇の内容は異なります。

すべての待遇は、以下の2種類に分類されます。

  1. 社員間で格差が発生する待遇・・・給料や役職など
  2. 社員間で格差が発生しない待遇・・・休日数や労働時間など

あなたは、どういった待遇を求めて転職しますか。

私は仕事が嫌いなので、休日や残業ゼロを優先して転職先を探していました。

ただ、転職理由で最も多いのは「給料面」です。

多くの人が給料アップを目指して転職を試みます。

しかし、実際に給料アップの転職に成功しても、良いことばかりではありません。

給料とは②社員間での格差の発生する待遇です。

社員間で格差があるということは『社員間で嫉妬が生まれるということ』です。

たとえ厚待遇を得て転職できても、入社後のしばらくの間は社員間格差から生じる嫉妬心に悩まされることになります。

今回は厚待遇すぎる転職よりも、身の丈に合った待遇での転職のほうが上手くいくというお話をします。

厚待遇での転職は入社後に嫉妬の対象となる。

厚待遇を受けることは大変喜ばしいことです。

「高い給料をもらう」

「役職をもらう」

厚待遇を手に入れるために転職を決意したのです。

それを実現できるなんて素晴らしいの一言です。

誰だって出来ることではありませんから。

しかし、実際のところ喜んでばかりもいられません。

というのも「高い給料をもらう人」や「高い役職に就く人」は周囲から羨望の眼差しと同時に、嫉妬も受けやすい状態にあるからです。

まだ実績を上げたわけでもない、転職入社したばかりの社員です。

周囲からの嫉妬を受けないはずがありません。

ましてや役職付きでの入社となれば、周囲からの風当たりはさらに一層強くなります。

周囲の人間は「役職者なのだから仕事ができて当然」というスタンスで接してきます。

給料が高いかどうかは周囲には金額が漏れることはないので、知らぬ顔をしておけばよいのですが、役職については知らぬ顔では通用しません。

役職が部長であれ、課長であれ、何であれ、社内に周知された肩書に応じた責任や能力が求められます。

そこでしっかりとした答えを出さなければ、やり玉にあげられることになるでしょう。

厚待遇での転職者は「引継ぎ業務」で洗礼を浴びる

厚待遇での転職者は、周囲からの凄まじい嫉妬を受けることになります。

それでも、有能で仕事のできる転職者は徐々に仕事を覚えていくでしょう。

新しい環境にも適応しながら、これまでに得た知識や経験をもとに仕事をこなしていきます。

そんな有能な転職者でも、周囲からの嫉妬心を真面(まとも)に受けてしまっては、どうにもならない場面があります。

その場面とは「入社直後の引継ぎ業務」です。

どんな人でも入社直後は、会社の事情が全く分かりません。

新しく入社した人は、担当する仕事はどんな仕事か、どうやって進めるのかといったことすら分からない状態です。

つまり、前任者からの引継ぎなければ、一歩も動けないというわけです。

じつは、前任者がどういった心境で引継ぎをしてくれるかで、事態は全く異なる展開をみせます。

どういうことか。

前任者が、厚待遇の転職入社した者に対して嫉妬心を持っていると引継ぎ業務は上手くいかないということです。

前任者の心の中に「自分より厚待遇で入社してきた人に仕事を教えたくない」という気持ちがあっても何ら不思議ではありません。

意図的に必要事項を教えてもらえなかったり、必要情報を隠されたりされることもあります。

こういった絶望的なケースは実際にあります。

また、前任者が存在しないケースもあります。

前任者がすでに退職したケースや、元々前任者は存在せずに増員や新規のポストでの採用といったケースです。

いずれにせよ、前任者がいないのだから専任で教えてくれる人はいないということです。

そうなると、職場の同僚に一回一回聞きながら、仕事を覚えていくしかありません。

職場の同僚のなかには嫉妬心を抱えている人は当然います。

そういう人に聞いても誠実な対応をしてくれないかもしれませんね。

厚待遇すぎると転職は失敗する。

誰でも入社直後は不安なものです。

能力が高かろうが低かろうが、不安な精神状態に大差はありません。

その不安をかき消してくれるのが『良好な人間関係』です。

上司や同僚、もしく後輩などと良好な人間関係が築ければ、スムーズに新天地での生活をスタートすることができます。

しかし、反対に良好な人間関係が築けなければ前途多難です。

素晴らしい能力を持った人が入社してすぐに退職してしまう理由のほとんどは、人間関係構築の失敗にあります。

その良好な人間関係構築の障害となるのが『手厚い待遇』です。

実績があれば誰も文句は言いません。

しかし、入社段階では未知数です。

たとえ前の会社で素晴らしい実績を上げていたとしても、新しい会社ではまだ実績はありません。

だから、最初から実力以上の待遇を受けないことが賢明です。

自分の現状の能力に応じた身の丈に合った待遇を受けるべきです。

そこで「現状の自分のキャリアと能力でいくらが妥当な待遇なのか」を知っておく必要があります。

それには『ビズリーチ』(直接スカウトから連絡が来ます)のキャリアアドバイザーに査定してもらいましょう。

あなたの経歴とスキルから判断した適正な市場価値を割り出してくれます。

なんとなく健康診断のようで気持ちの良いものではありませんが、現実を直視することは大事なことです。

査定は無料ですので、一度は見てもらったほうがよいですね。

そこで提示された市場価値を上回るほどの給料や役職での転職は控えるべきです。

貰えるものは貰っておいた方が良いという考えもあるでしょうが、いきなりの厚待遇だと入社後の人間関係で足を引っ張られることになりかねません。

そうなるとせっかくの転職が失敗に終わってしまいます。

そして、実はもう一つ厚待遇をもらうと転職が失敗する理由があります。

それは、厚遇ゆえのプレッシャーに押しつぶされてしまいかねないということです。

厚待遇を受けたばかりに自分で自分の首を絞める形になってしまっているわけです。。

「給料に見合う結果を出さねば・・」

「会社の期待を裏切るわけにはいかない・・」

身の丈に合った待遇であれば、こんな苦しみを味わなくても済んだものを。。。

会社によっては転職者に配慮して、最初から厚遇を敢えて与えない会社もあるくらいです。

会社としても、なんとか転職者にはスムーズに新しい環境に馴染んでほしいという思いを持っているのです。

おわりに

新しい人が会社に入ると必ず注目されます。

滅多に中途採用をしない会社への転職となると、特に注目度は増すことでしょう。

年齢は?住まいは?どんな経歴を持った人なのか?

そして一番の関心はどのくらいの給料を貰っているのか?ですね。

さらに役職付きで入社すれば、周囲からの過度なプレッシャーを浴びることになります。

それでも実績をあげさえすれば、周囲は納得します。

要は結果を出せばよいのです。

そのためには入社直後は周囲の人たちの協力が不可欠です。

嫌われないようにする。

嫉妬されないようにする。

ケンカしないようにする。

そのための手段として実力以上の厚待遇を最初から受けないことです。

少なくとも1年間は役職に就かず、平均的な給料で仕事をしたほうが、ものごとは上手く運びます。

これは私の経験上の話です。

そして1年経って会社にも仕事にも慣れたあたりから、厚待遇を会社に要求すればよいのです。

それが転職の成功を掴む秘訣ですね。

くれぐれも最初から欲をかいてはいけません。

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